名古屋色街カルテットその3『城東園』

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八幡園を後にし、その足で向かったのは中央本線の大曽根である。大曽根駅自体は東区にあるが、そこがほぼ区境となり、少しばかり西へ行くと間髪入れずに北区に入る。
目的地の『城東園』は北区に属し、「全国女性街ガイド」によると以下のように書かれている。

北区長田町にあり俗にいう大曾根。百五十六軒、三百六十名。

・・・いやちょっと待て。簡潔すぎだろう。

01

嘆いても始まらないので、ともかく目標へ真っ直ぐ向かうことにする。
駅前から大通り(国道19号)を西へ。ゆるやかに左手に折れるところで、真西へ向かう脇道へ。
やがて「杉栄町2」という交差点にぶち当たる。件の城東園はこの北側一帯に存在していた。

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駅から遠い城東園

02

脇道を進む。
当時は「長田町」というところにあったという赤線だが、実はこの長田町という地名は現存する。
実際、城東園があったのが「杉栄町」で、長田町はこの杉栄町の西側に隣接している。

03

住所が変わったのか、途中から移転されたのかどうにも判然としないが、まぁ別にどっちでもいいじゃないかとそんな風に思ったりもする。
途中、碧水温泉なる、味のある銭湯を通過。この少し先が杉栄町2の交差点である。

04

交差点を右に折れ、交差する車通りを北へ進む。
城東園の名残は、この車通りを中心に並走する二本の路地に囲まれた縦に細長いエリアに散在している。
距離にして、南北がだいたい500m程度となろうか。

05

しかしまぁ、縦に三本ってことは、進⇒戻⇒進となるので帰りが余分に歩かなければいけなくなり非効率極まりない。
大曽根駅からここまでが既に15分ほど歩いており、散策を終えたあと20分歩いて駅まで戻る体力が残されているか正直怪しい。
などとネガティブシンキングに耽っていたが、実は名城線の志賀本通駅が杉栄町のすぐ北側にあったのでその心配は杞憂に終わった。

06

若干カフェー調っぽさが見られる建物。
この城東園は、文献に乏しくかなり謎に包まれた遊里であったとのことで、確かにそれはWeb上でも同様の傾向を示していた。
そうとわかれば実地で歩いてこの目で確かめるしかない。足で稼ぐのがまち歩きの基本だと常々主張する筆者にとっては、むしろそのほうがおあつらえ向きである。

07

ようやくそれっぽい建物が登場。ぱっと見妓楼に見えなくもないが、城東園は元々遊郭だったわけではないそうなので、真偽は分かりかねるがおそらく違うのかなぁ、という見解。

08

戦前、城東園の東側(北区東長田町あたり)に『和合連』という花街があったので、それが下地となって戦後赤線が誕生したというのが今のところもっともらしい説となっている。
ちなみにこの花街の残滓は、現在でもまだ少しだけお目にかかることができるらしい。(筆者未確認)

09

とは言え、どうも窓手摺りに透かし彫りがあると条件反射的に妓楼だと思ってしまうきらいがある・・。
どうしたもんか。

10

この辺がいささか知見不足につきどうにも曖昧なところではあるのだが、遊女、女郎を置く家が妓楼だとすれば、戦前だろうが戦後だろうが妓楼は妓楼なのでは?と思ったりもする。
遊郭=妓楼ってわけでもないだろうし、戦後にできた色街においても、まちづくりや建物において戦前のそれと同様(先日書いた豊橋の東田園とか)な場所もあるわけだし。

11

特に戦前~戦後にかけて、廃娼を経ていることと、土地によって焼けたり焼けなかったりで、とにかく色街にとって色々なことが曖昧でカオスな時代であったことは間違いないと思う。

12

「カラオケの店 多恋人(たれんと)」
正面を見た瞬間遺構だとわかる妓楼建築は、曲がってみてその奥行きにビックリ。
どうでもいいけど、同じ当て字を使った同名の店舗を、横浜福富町で見たことあるな(笑)

13

まぁ、これもそうだよな・・きっと。
情報の少なさに反して、意外と残ってるもんだね。やっぱり自分の足で歩かないことには何もわからない。
ここまで見てきたのが、三本のうち西側の通り。次頁では中央と東側の通りを見て行きたい。

(2ページ目へ続く)

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コメント

  1. 名古屋っ子 より:

    戦前の名古屋について詳しく書かれている百萬名古屋という本に詳しく名古屋の色街事情が書かれているのを見たことがあります。

    • mast-mo より:

      >名古屋っ子さん
      貴重な情報ありがとうございます!調べてみたら、幻の名書で、超限定で復刻されたとありますね。機会があれば是非お目にかかってみたいものです。