温泉城下町「かみのやま温泉」の鄙びた街並みを歩く

山形県
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山形市の七日町を散策後、車を調達して向かったのがお隣、上山市の上山温泉である。ここもずっと前から来たかった温泉街で、ようやく念願叶っての訪問となった。

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温泉街は7つのエリアに分けられ、すべてひっくるめて上山温泉と呼ばれる。その中心となっている「新湯」の入口にあるのがおそらく市内随一のショッピングセンター「カミン」。
ソフトバンクのCMで「待つわ」が起用された某女性ユニットの名前が浮かんで思わず顔がニヤニヤしてしまった(・∀・)ニヤニヤ

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新湯通り

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室町時代開湯と、屈指の歴史を誇るかみのやま温泉。新幹線の駅もあることだしどれ、結構栄えてるんだろうな、と思ってたら全然そんなことはなかった。いや、むしろその逆だったと言ってもいい。

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新湯通りのゲートをくぐり、すぐさま目につくのが黄緑豆タイルの円柱を持つ赤線建築。
名は「トキワ館」。これでも元映画館だという。

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直接的な赤線の遺構ではないけど、今現在かみのやま温泉に残るものではやっぱりこれが一番の見所になる。
そもそも温泉に入る気まんまんで来たけど、動機としてはこれが見たかったというのもかなりのウェイトを占めていた。

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城下町かつ宿場町として古くから発展してきた上山市。明治30年頃に遊郭ができ、戦後は赤線となったそうである。
まぁそもそもが温泉街だし、そういう場所にならないほうがおかしい。

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トキワ館の角を左に曲がり、さらに左折した先に現れるモダンなよね本旅館さん。
昭和14年(1939年)竣工だそう。戦前ですか。

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現在は割烹店として営業してるとか、してないとか。

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入口が二ヶ所あるお宅。赤線時代の産物だろうか。

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赤線時代の上山温泉は、おなじみ昭和30年の『全国女性街ガイド』に詳らかに書かれている。

小学生の性病集団感染事件以来不評のどん底にある上ノ山は、去る二十五年七百万円を投じて湯送パイプを修理、四十三度のぬる湯から五十三度まで熱くし、せっせと客引きに余念がないが、花街のほうは全国随一を誇る悪所で浅虫よりも評判が悪い。
(中略)
そればかりか、パン助が氾濫し、その数八十とも百ともいわれ、土地のものにも実数のつかめない糜爛ぶりを呈している。ヤミ市の中華そば屋にも、駄菓子屋にも二人や三人の闇パンがおいてあり、これが宿の番頭や女中と結託し、芸者を呼んでくれといえば、だまってパン助を呼ぶといった仕組みである。この程度ならどこにでもあるとして、泊まり二千円のうち宿が八百円を天引きに取り、女と主人が六百円ずつの折半。宿が最高率をせしめるという悪どい仕組みは全国的にもめずらしい。女は半分以上が仙台周辺の出身。

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とまぁ・・色々ツッコミどころが多すぎてどこからツッコんでいいものかいささか困ってしまう。
東北どころか全国でも指折りの無法地帯だったようだ。だから寂れてしまったというのも・・当たらずと雖も遠からずではなかろうか。

盛者必衰は世の常である。

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そう言えば温泉に入りに来たんだった。
というわけで、有馬館さんで日帰り入浴。大人1000円でした。

まぁ、どうせすぐまた汗かくんですけどね。

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三連休の初日なのに、ずいぶん人が少なかったことがこの温泉郷の現在を象徴するかのようでどうにも心配になってくる。
見かけたおみやげ屋さんは廃業しちゃってました。

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それは歩いたのが昼間だったからで、たぶん15時過ぎたら宿泊客が大挙して夜になったら人がゴミのように見えるほど通りは混雑するんですよ。

うん・・そんなことあるわけない。

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車を停めた「カミン」には人がたくさんいたんだけどなぁ。
大丈夫かな、かみのやま温泉。

新幹線でも行ける上山温泉郷。山形市や蔵王にも近く、山形に遊びに行くにはこの上ないロケーションなんで、是非とも泊まりで行かれてみてはいかがでしょう。

ちなみに筆者もこの日はかみのやま温泉(湯町地区)で一泊しました。

[訪問日:2015年7月18日]

〒999-3134 山形県上山市矢来1丁目1 かみのやま温泉駅


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