風情と色情が交差する街 高崎・柳川町

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そう言えばまだ行ったことがなかったな。
そんな軽い思いつきで昨年9月、好天の日を狙ってツーリングにくり出した。目的地は群馬の名湯・伊香保温泉である。

そのときに立ち寄ったのが、かねてから見たかった高崎の赤線跡、柳川町であった。

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高崎銀座商店街

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柳川町のことを書くなら、隣接する「高崎銀座商店街」の存在は無視できない。
高崎駅から徒歩5分ほどのところにある、いたく味のあるアーケード商店街がそれだ。

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この商店街の組合が設立したのは戦後、昭和26年のことだという。
今も昔ながらの個人商店が軒を連ねている。

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高崎と言えば、現在でも新幹線や高速道路がそうであるように上越と信越の分かれ目である。交通の要衝は商都となる宿命を負い、人やモノが集まることから小売業にとっては魅力的なマーケットとなる。

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結果、デパートの進出が進みモータリゼーションの潮流も相まって“買い物の場”は郊外へと分散し、かつて中央にあった商店街には激しい逆風が吹きすさぶことになる。
その帰結が今目の前にある商店街の姿である。

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だから「元気です!」と言われてもこっちも困惑してしまう。
今にも死にそうなおじいちゃんがぷるぷるさせながら手を振っている姿しかイメージできません。

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アーケードがあると雨も雪も関係ないし、色んな店が揃ってるし商店街って魅力あると思うんだけどな。何より現代においてはこの風情がたまらない。

それでも車で行けて何でも売っててきれいで商店街より安い郊外の大型店に人は集まる。この心情もよく理解できる。

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昭和の佇まいを見せていた商店街に突如現れた夜のお店。
何この意表の突き方。
とは言え、場違いかと言えばそうでもない。その辺りのことは後ほど。

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おもむろにアーケードが終わりを告げた。実はこれ、2014年2月の大雪で崩落してしまったのだそう。
ところが、これを契機として商店街では「昭和の風情を再現したまちづくり」の整備を進めるのだとか。ケガの功名じゃないけど、今後が楽しみな話である。

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その先に、無機質なコンクリートに覆われたやたらでかい構造物が現れた。
どっからどう見ても廃墟である。

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その正体は映画館、「高崎オリオン座」。2003年に閉館したそうでかれこれ放置されたまま12年(この当時)のときが流れていた。

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正面入口には廃業当時の映画のポスターがそのまま残っていた。
ハリーポッターと秘密の部屋は2002年・・時期も符合する。
この映画は学生時代、映画館に観に行ったのでよく覚えている。

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よくよく見ると途中まで解体したけど挫折しました感が満載な様相を呈している。
いい大人がやり散らかしてそのままフェードアウトとか一体どういう了見なんだ。

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オリオン座全景。
崩落したアーケードとのコラボレーションでレトロっぷりが芸術の域に達している。これはたまらん。

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戦後調のバラック長屋(店舗兼住居だろうか)も健在。
ホントいい商店街だなぁ。

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手前のバラックには「Game Center」の看板。しかも筆記体。
現代では絶対に出せないハイセンスに脱帽。

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気がついたら反対側に抜けてしまっていた。中央銀座はこの辺にして、次頁では隣接する盛り場「柳川町」の町並みを見ていくことにする。

(2ページ目へ続く)

コメント

  1. maru より:

    去年、地元の人に紹介されて歩きました。
    昔は映画館が3軒ほどあって
    商店街が日曜日になると、人であふれかえていたようですよ。
    その、商店街のレトロな食堂でお昼でした。

    バラックのゲ-セン、、、昔はパチンコ店だったらしく
    シャッターの隙間から覗いたら
    豆タイル張りのレトロなお店でしたよ。

    • machii.narufumi より:

      人であふれ返っていたのはまったく想像できませんね(苦笑)

      パチンコ屋だったんですか。
      ピンクのタイルですよね?それはちゃんとカメラに収めていました。画像の選定で不採用にしちゃいましたが。

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