延命新地改、絶命新地の死にそうな町並みを眺める

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近年まで、滋賀県には八日市という街があった。
平成の大合併で消滅し東近江市となったその街には、遊郭から赤線へと移行した、かつて湖東最大とまで言われた遊里『延命新地』が存在した。

どんなところか気になったので、ひと目見るためにはるばるその街までやって来た。

延命新地は八日市駅の南東、ほぼ駅前と言っていい場所にある。東側にこれまたいい感じのレトロアーケード『本町商店街』があるのだが、今回はパス。

本町商店街の一本西側の路地へ分け入ると、そこはもう結界の中。「旅館くしむら」と書かれた元妓楼の登場によってそれを知った。なかなか…弁柄格子が艶めかしいではないか。

今立つ路地の細さもまた、ここがかつて不夜城であったことを如実に物語っていた。
いや、そもそも明確な意思を持ってここへやって来た者であれば、すぐに雰囲気の変化を肌で感じ取ることができるだろう。

側面から背面を眺めると、やはりこの建物がただの旅館ではないことがすぐに理解できた。
なお、この路地を挟んだ斜向かいに、めちゃめちゃ広い敷地を持つ高級料亭の招福楼本店がある。これもまた、新地時代の名残に他ならない。

延命新地の歴史を紐解いてみると、実は起源というものがよくわからない。『全国遊廓案内』を見ても成立については記述がなく、具体的な数字は「揚屋が41軒、娼妓50人芸者55人」というものしかない。

ただ、そこからは純粋な遊郭ではなく半分は花街だったことがわかる。

八日市に新地ができたのは、ここが交通の要衝だったからというのが定説になっているようである。対して、飛躍的に発展した理由はこの地に陸軍の飛行場が置かれたから、というこちらは既成事実となっている。

延命新地の由来は、“寿命が延びるぐらい楽しいところだよ♪”的なノリだと思っていたら、何てことはなかった。

線路を挟んだ反対側の山が「延命山」と言うらしい。地名だったのかよw

戦後は赤線に移行し、1958(昭和33)年の売防法完全施行によりめでたく消滅というオーソドックスなエンディングを迎えている。いわゆる優等生タイプ。

その後、業者たちは飲食店、旅館に鞍替えし細々と営業してきたようだが、駅前だし普通にニーズはあったのだろうと思う。

って、呑気にうんちくを垂れている場合ではない。

さっきから、ツッコまないのが申し訳ないぐらい街の姿がヤバいのである。そこらじゅう廃墟だらけで、崖っぷちとかそういうレベルではない。完全にオワコン状態なのだ。

そもそも、新地内部に足を踏み入れてからまだ誰にも会っていない。さすがに誰も住んでいないということはないだろうが、もしかしたら地元民からは抜け道にすることさえも敬遠されているのかもしれない。

なんてことを言ってたら建物の内部が「ぬけられます」状態になっていた。かつてはここにもスナックやバーがが入っていたのだろう。

奥まで行きたかったけど経験値が足りないのでやめておいたw

しかし「延命新地」とは、なんてウィットに富んだ名前なのだろうか。たとえそれが地名だとしても、今となってはネタ以外の何物でもない。

だって、もう絶命してるんだもの。

要するに、名前と実体がまるで伴っていないのである。

例えるなら、足を組んでソファーにもたれながらワイングラスをくゆらせるぐらいの気品と余裕が漂っている。でも、格好はガウンじゃなくてジャージでした、みたいな感じw

とても駅徒歩2~3分のロケーションとは思えないほどの寂寥感である。
これでも八日市ってターミナル駅だし滋賀の中では割と栄えてるほうなんだけど、その期待はすでに裏切られていたことに遅ればせながらようやく気づいた。

延命新地は今後どうなってしまうのだろうか。これ以上延命するのはそろそろ厳しいんじゃないかという気がしてならない。

でも、こんな風情のある通りが歴史ごとなくなってしまうのはそれはそれで寂しいものである。

何か有効活用できることは・・

あったらとっくにやってるよな(´・ω・`)

そう言えば、線路に一番近い路地を歩いてるときに、妙にだたっ広い空き地があるなぁと思っていたら、なんとそこにルートインができることになっていたらしい。

しかも、なんと開業が2017年3月13日・・って来週じゃん!

公式サイトによれば、4/27までシングルルームがキャンペーン価格、宿泊者全員へドリンク1本プレゼント(なくなり次第終了)

これはもう・・

泊まりで八日市へ行って延命新地を見て来い!ということですね(ぇ

なお、新地の南端には現役時代から営業している銭湯、「延命湯」がある。

奇しくもこの日は、八日市ICそばのビジネスホテルに投宿した。もし当時ルートインがあれば、たぶんここに泊まっただろうな、と思う。

もちろん延命湯とセットで。

まぁ、もう行かないけど。

おしまい。

[訪問日:2016年7月28日]


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