天下の名湯 有馬温泉でレトロな温泉街をそぞろ歩く

兵庫県
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個人的見解だけど、日本人は「三大なんちゃら」とか「ほにゃらら百選」とかいう称号にめっぽう弱いと思う。

温泉界には日本三名泉(草津、下呂、有馬)というのがある。また、三古泉(道後、白浜、有馬)というのもある。顔ぶれを眺めると、有馬温泉だけが同時にランクインしている。

いずれも日本を代表する名湯であり、五湯すべて入ったけどそこに甲乙つけるのはちょっと難しい。ただ、回数だけで言えばその有馬温泉が一番多く、これまでに10回ぐらいは訪れている。

昨年の夏に六甲山に登り、定番の芦屋川~六甲山~有馬温泉ルートを踏破した。このとき、“上”から来たことではじめてちゃんと温泉街を見ることになった。

何これ・・めっちゃ渋いまちなみ!

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満を持して有馬温泉再訪

そのときは疲れきってて廃人同然だったのであきらめ、後日、日を改めてやって来た。
その温泉街というのが、バスターミナルの横から始まる「湯本坂」。ここが昔の温泉街のメインストリートらしい。

日本書紀に飛鳥時代の描写が出てくるほど有馬温泉の歴史は古く、江戸時代の温泉番付では最上位にランクインされたという実績もある。また、有馬は豊臣秀吉が愛したことでも知られ、「太閤」の名が今でも地名に残っている。

今歩いてる湯本坂は有馬本街道とも言い、いわゆる旧街道。湯治場として賑わった有馬へは、皆この道を歩いてやって来たのだろう。

なぜ温泉街に・・

となること必至の有馬玩具博物館。おもちゃが好きな人、子連れのファミリーなんかにはいいかも。

湯本坂を上り始めてすぐ現れるのが公衆浴場の「金の湯」。大人800円(平日は650円)。
“金泉”と呼ばれる源泉で、湯は茶褐色。結構パンチの効いた色をしている。外には足湯もある。

去年、数年ぶりに来てみたら中がずいぶんキレイになってて驚いた。

湯本坂はだらだらと続く上り坂になっている。車の進入を物理的に拒むほど道は狭く、人が多いと歩くのも結構大変。

なので、旧街道とかメインストリートとか言われてもなんか嘘くさい感じを受ける。
でもまぁ、賑やかなのは確か。土産物屋、飲食店をはじめ多くのお店が軒を連ねるのがこの通り。

どうこれ。全体からにじみ出る“路地裏”感がすごい。

ホントなら、こういう記事ってキュレーションサイトみたいに「有馬温泉食べ歩き5選!」みたいなキャッチーな内容のほうがいいんだろうけど、ご存知の通り筆者はあまり食べ歩きしないタイプなんでそこはもうホントすいませんとしか(汗)

なので知ってることだけ書いておくと、有馬温泉の名物は炭酸煎餅。ゴーフルみたいな薄焼きの煎餅で、いたるところで売ってる。
製造販売やってるところはだいたい試食で一枚くれるので、歩いてるうちにお腹いっぱいになるので気をつけるべし。

地味に腹ふくれるので。

もうひとつ、名物ではないけど川上商店の松茸昆布が有名で、佃煮全般は有馬を代表する土産だったりする。

周辺の山で採ったものを湯治客向けに出したのがルーツなんだとか。

有馬温泉の宿は総じてお高めで、伊東園系列のような格安ホテルは皆無。安いところでも一人一泊2万円ぐらいする印象がある。

なので筆者は何かのお祝いや慰労会みたいな特別なときに有馬を選ぶ傾向にある。

ちなみにここはまったくと言っていいほど歓楽色はないのでそっちを期待している方はご注意を。

一応、有馬には現役の芸妓がいるのでお座敷遊びはできるみたいだけど。

途中から温泉街の紹介になってきてすでにまちなみとかどうでもよくなってる感があるけど、構わず続けます。

脱線ついでに与太話を。もう15年ぐらい前の話になるんだけど、初めてここに来たとき、金の湯に入るつもりで来たら閉店に10分間に合わなくて入れなかった。途方に暮れながら日帰り温泉を探し、見つかったのが「太閤の湯」。

喜んだのも束の間、日帰り入浴が2400円という想定のはるか斜め上を行く価格設定だった。でもはるばる来た手前泣きながら入るしかなかった。しかも閉館間際で滞在時間は40分。。

もちろん、後にも先にも日帰り入浴でこれ以上の金額を払ったことは一度もない(笑)

有馬と秀吉が頭の中で結びつくようになったのもこの事件のせいだし、まぁそんなことがあったもんだから、個人的に有馬温泉は曰くつきの場所であり思い出深いところでもあり。

だからってわけじゃないけど、「太閤の湯殿館」を見てきた。

秀吉が造らせた「湯山御殿」の遺構や出土品を展示した資料館で、発見されたのはあの阪神大震災がきっかけだと言う。

実は秀吉は有馬を愛しただけではなく、泉源の改修工事を行ってその後の発展の礎を築いたというある意味「有馬の英雄」だったりする。

そのあたりの話に興味のある人は、是非とも太閤の湯殿館を訪れることをオススメしたい。

太閤の湯殿館の隣にあるのが、もうひとつの公衆浴場、「銀の湯」。
こちらはなんと天然の“炭酸泉”。最近スーパー銭湯なんかでも増えてきたけど、温度は低いのに血管が拡張してポカポカするというアレ。

ちなみに放射能泉も湧出している有馬は、まったく泉質の異なる源泉が3つあるというかなり珍しい温泉街。
このあたりが天下の名湯と言われる由縁なのかもしれない。

なお、金の湯銀の湯2館で1,200円というお得な券があるのでこっちのがオススメ。

あー、結局最後まで温泉街の紹介になってしまった。
おしまい。

[訪問日:2016年10月16日]


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