世界遺産の白川郷。せっかく行くなら泊まらないのはもったいないと、満を持して合掌造りの民宿を予約しておいた。
昼間の観光の話はコチラ。
宿泊したのはこちらの「民宿ふるさと」。
集落の奥のほうと言えば奥のほうだけど、メインストリートからも近く比較的便利な立地にある。
何を基準に選んだかはもう忘れたけど、値段と立地だったかな?
※1泊2食で7,500円だった
観光協会のサイトを見ると、荻町の合掌民宿は19軒(2020年10月現在)。
結構数が多いので、古さ(築年数)とか設備とか食事とか、自分なりの基準を持って宿探しに臨んだほうがいいと思う。
あるいは、観光協会に電話して希望を伝えて探してもらったほうが楽かもしれない。
駐車場は民宿のすぐそば、徒歩1分ぐらいの場所にある。
メインストリートから1本入った道なのに、着いたときは歩行者がめちゃめちゃいて「何クルマで入っとんねん!」的な目でじろじろ見られた。
いや、こっちは宿泊なんで!悪いね!w
昼間の記事で書いた通り、一度チェックインしてから集落を散策し、夕方頃に戻ってきた。
泊まったのは、一番奥にある4畳半ぐらいの小部屋。
天井が高いので圧迫感は全然なく。
ちなみにこの民宿、築年数も相当のもの(後述)なんだけど、部屋にいる限りまったくそれを感じることはなかった。
夕食は飛騨地方らしい、山の幸をふんだんに使った品々。
さすがの飛騨牛は絶品でしたが、それ以上に感動したのが白飯の美味さ!
これ、旅館や民宿に泊まると大体そうなるんだけど、どこの米?どうやって炊いたらこんな美味しくなるの?って感動しながら気づくとおひつが空になってる(笑)
で、帰って体重計に乗って戦慄する(((( ;゚Д゚)))
お風呂は集落内にある「白川郷の湯」を勧められたので、そちらへ行った。
合掌造りの家庭風呂も捨てがたかったけど、天然温泉と聞いたら温泉好きとしては行かないわけにはいかない。
ちなみに「白川郷の湯」は宿泊施設でもある。
日帰り入浴は大人800円、入館は21時まで。
9月の白川郷は夜はもう涼しく、湯上がり、心地よい夜風に当たりながら月明かりに照らされた夜道を歩いて戻った。
その瞬間は、何物にも代えがたい贅沢な時間だった。
明くる日の朝食。
夜にアレ?と思ったけど、朝に来ました。朴葉味噌焼き。
肉じゃなくて野菜だったけど、美味しかったですよ。
やっぱり飛騨に来たら朴葉味噌は外せないよな、と。
女将さんに話を聞いた
帰り際に、女将さんとちょっと立ち話をした。
まず、この建物は築210年。
女将さんたちが11代目に当たるそうだ。
建物自体は問題ないけど、柱を立てている石が削れてきてるのでそろそろ換えないとと仰っていた。
そういう作業は、白川郷では全部自分たちでやらなければいけないそうだ。
それに対し、五箇山は村全員で建物を守っていくので楽だと。
だから越してくる人がいるのだとも言っていた。
これは、いわゆる相互扶助の「結」のことだと思うけど、屋根の葺き替えはじめ白川郷でも普通に行われていると思っていた。
今は事情が少し異なるのだろうか。
あまり深くは聞けなかった。
ちなみに、屋根の葺き替えは30年ごと。昔は60年だったそうだ。一回1,500万円ほどかかる。
茅場が少なくなってて、昔静岡から買ったときは一冬で落ちてしまったと。
やっぱり、北海道とか寒い地方の茅でないとダメなんだそうだ。
世界遺産になってからインバウンドが増えた。
最初は中国。最近はヨーロッパからが多いとのこと。
前回触れたライトアップの話も、実は女将さんから聞いたものである。
観光客同士の喧嘩があったり、ベビーカーで展望台まで上がったりドローン飛ばす人がいたり、受け入れ側としては安全面でさすがに限界だったことで完全予約制に踏み切ったのだと。
ただ、これだけの人が訪れるイベントも、始めた頃は全然人が来なくて写真撮る人に家屋の照らし方を教えてもらったりしていたほどだったのだとか。
今ではちょっと信じられない逸話である。
白川郷で、合掌造りに泊まること。長年の願いがようやく叶い、忘れがたいひとときを過ごすことができた。
またいつか、今度は雪の時期に泊まりで来ることを夢見ながら、世界遺産の集落を後にした。
民宿ふるさとさん、女将さん、ありがとうございました。
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