祗園甲部の新橋地区は、四条通の北側、白川沿いの花街。
一般的に「祇園新橋」と呼ばれる場所である。
祗園甲部のお茶屋さんはほとんどが花見小路のある南側に集中している。
じゃあ新橋地区は微妙なの?と言うと、全然そんなことはなくてむしろその逆だったりする。
祇園新橋伝統的建造物群保存地区
白川にかかる新橋。
先で枝分かれする道は、右側が「新橋通」、左側が「白川南通」。
新橋地区は、この橋を起点に散策するとわかりやすい。
江戸時代に茶屋町としてはじまったこの地区には、江戸~明治初期にかけて建てられたお茶屋などの町家が数多く残っている。
この「祇園新橋」は1976年9月に重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、なんとこれが重伝建としては第一号。(7件同時登録)
お茶屋建築が多く残っている京都でさえも最近は徐々に数を減らしており、保存状態が良好、かつまとまって残っているという点で祇園新橋はかなり貴重な存在。
行けばわかるんですが、ここ、とにかく風情が素晴らしい。
現役のお茶屋は、新橋通で4軒。
石畳の通りに整然と立ち並ぶ茶屋建築。
一階に格子をつけ、二階にはすだれがかかっているのが特徴。
かつてカフェーとして営業していた建物も。
両側の町家は、軒の高さがほぼ同じで統一感がある。
石畳の路地裏にも京都らしい風情が漂う。
晴れ着姿で前撮りをするカップルに遭遇。
どうぞ末永くお幸せに。
新橋通の端から撮影。
運がよければ芸妓や舞妓さんに会えるかも。
筆者は残念ながら会えませんでしたが、代わりに姐さんらしき方を見かけました。
後ろ姿がめちゃめちゃさまになる…。
続いて白川南通。
この通り、春には桜が咲き、柳が芽吹き、川を眺める巽橋あたりはいかにも京都らしい雅な雰囲気に包まれる。
祇園を愛した昭和の歌人、吉井勇の歌碑が立っている。
両サイドは桜の木。どうです?脳内で春の情景を想像してみてください。
これが巽橋。
ちなみにここ、春だけではなく夏は紫陽花、秋はススキや金木犀、晩秋は紅葉、そして冬は雪。
なんとオールシーズン対応!素晴らしすぎる…。
ここから先、白川の南側に行くと、お茶屋もぽつぽつ残っているものの、バーやスナック、風俗店など急にネオン街になるので少しビックリする。
これは、花街が衰退していった時期の乱開発による名残で、これが保存運動の契機となり、のちの重伝建選定につながったという経緯があるそうだ。
祗園甲部の紋章は、茶屋時代の名残から来る団子を八つ数珠つなぎにしたデザインをしている。(中央に「甲」の文字がある)
この紋章、各花街で異なるから面白い。
京都を代表する花街、祗園甲部。
春には「都をどり」、秋には「温習会」という公演も行われるので、興味があれば足を運んでみてはいかがだろう。
[訪問日:2017年6月23日]
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