登録有形文化財の見本市。茨城県唯一の重伝建「真壁」の町並み

茨城県
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今日は茨城県唯一の重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)、桜川市にある真壁の話を。

と言われても、地名からしてピンとこない方が多いと思うのでまずは場所から行きましょう。

桜川市は県の西部、筑波山の北麓に広がる市で真壁は市内の南部に位置する。
アクセスは、JR水戸線の岩瀬駅から市バスが出るので車がない方でも大丈夫。

さて、そんな真壁がどのような歴史をたどってきたかについてまずは触れてみようと思う。

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About 真壁

真壁は戦国時代の城下町にその起源を持ち、江戸時代には大坂や奈良から木綿を仕入れて市を開き、木綿や周辺地域の物資の集散地として栄えた在郷町だった。

今なお当時の町割りと、江戸末期から昭和初期に建てられた伝統的建造物が良好に残り、平成22(2010)年に種別「在郷町」で重伝建に選定されて今に至っている。

さて、そんな真壁の特徴を一言でまとめるなら、登録有形文化財がとにかく多い町。
その数なんと101棟をも数える。

なんせ現地でもらったパンフレットの裏面が、登録有形文化財をずらっと並べて紹介する内容になっているところからも、ココに力をいれていることが伝わってくる。

そんなわけで、本記事ではいつもと若干毛色を変えて、建物にフォーカスを当て、ただただ建物を紹介する内容でお届けしようと思う。

 

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真壁の登録有形文化財

猪瀬家住宅

上宿通りの猪瀬家住宅は真壁で最も大きく造りも良い薬医門

塚本家住宅

これが地区内南側を東西に貫く上宿通り。
左手に見える土蔵は大正期に建てられた塚本家住宅。

根本医院

同じく上宿通りの根本医院。
真壁で最古と言われる文政期の高麗門が見られる。

村井醸造

江戸初期、1670~80年頃に近江商人(日野商人)が創業した造り酒屋。
はじめは醤油や味噌の醸造を行っていたそうだ。

村井醸造さんの対面には石蔵が立つ。

角を曲がるといかに村井醸造さんの敷地が広大かを体感できる。
右手に見える壁は全部そう。

そう言えば、初めて真壁に来たときお土産にココで酒を一本買って帰ったんだけど、ラベル貼る前の透明な瓶のまま持ち帰るというなかなかのレア体験をしました(笑)

伊勢屋旅館

料亭「勢州楼」から旅館へ転業した伊勢屋旅館さん。
建物は明治中期。

潮田家住宅と高久家住宅

正面に見えるのが真壁の登録有形文化財第一号の潮田家住宅。
右手手前はかつて肥料商を営んでいた高久家住宅。

なお、個人的にはこのアングルが真壁のベストフォトスポットだと思っている。

平井家住宅

元米穀商の平井家住宅(明治中期)。
昭和には精肉店となった。

土谷家住宅

なまこ壁が見事な江戸末期の土蔵。
地区内の土蔵ではこれが最も見ごたえがあると思う。

小林商店

保存地区外に位置する小林商店。昭和3年の建築。

加波山がよく見える。

続いて、最も北側を東西に貫く新宿通り。

中村家住宅

見世蔵の奥に主屋が続く、新宿通りを代表する建物。
大正2年築で、真壁の見世蔵では最も新しいそう。

関根家住宅

明治8年築。
通り沿いに二階建て店舗、奥に平屋の住居を構える明治初期の関東の町屋としては典型的な形態だとか。

橋本旅館

幕末が開業となる橋本旅館さん。
今の建物は昭和4年。残念ながら旅館営業はもうされてなさそう。

桜井家住宅

元は平屋の店舗だったのを二階部分を増築したそう。
側面が土蔵造りになっているのは火災に備えてのこと。

谷口義衛家住宅

新宿通りから北へ伸びる真壁街道沿いの町家。
長屋門は明治初期。

なお、新宿通り以北は厳密には重伝建の範囲外となる。

大森家住宅

火災を受けて石造りに改造した石蔵(大正6年)が特徴的。

谷口家住宅

真壁の近代化を支えたと言われる谷口製糸所と、経営者の住居だった建物群。
重厚な建物が連続する、真壁で最も見ごたえがある建築物のひとつ。

街道を挟んで西側は主屋、離れ、石蔵が立つ。

ここらで一旦区切ります。

(2ページ目へ続く)

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