兵庫県西部。
個人的にもあまり馴染みがなく、姫路を過ぎたら未開の地と言わんばかりによくわからない。
だが、味のある古い町並みというのは大抵そういうところに残っていたりする。
姫路からJR姫新線というローカル線に乗り込み、目的地を目指した。
非電化の鉄道は、日本昔ばなしに出てくるようなのどかな田園地帯をガタゴトと走り抜ける。
姫路から5駅。「本竜野」という駅で降りた。
たつの市というところだ。
姫新線に乗ったことももちろん、たつの市に来たのも初めてだった。
このたつの市は、「赤とんぼ」の詩人、三木露風を生んだことから『童謡のふるさと』と呼ばれている。
駅前では「赤とんぼ」をイメージした銅像が迎えてくれた。
この本竜野のあたりは、江戸時代、脇坂藩五万三千石の城下町として10代200年に渡って栄えた歴史がある。今日は、この城下の町並みを見に来た。
龍野城下町を歩く
本竜野駅から歩くこと30分弱。揖保川と鶏龍山に囲まれた狭い範囲が旧市街、ここに城下のまちなみが残っている。
旧城下の入口へは市のコミュニティバスが連絡しているが、平日と土曜だけという地方都市にありがちなトラップにはまり、猛暑の折、泣く泣く歩く羽目になった。
ちなみにたつののマンホールは赤とんぼ仕様。まちが生んだ偉人へのリスペクトが感じられる。
龍野橋を渡ったところから古い町並みが始まる。
たつのは、元々は漢字で「龍野市」。2005年、平成の大合併の際に合併した町への配慮からひらがなの「たつの」になった。
さて、前置きはこの辺にしてそろそろ町並みを見ていこう。
たつので一番古い和菓子屋、觜崎屋本店
龍野城下町は白壁の土蔵や武家屋敷が残る町並みで、巷では『播磨の小京都』と呼ばれている。
最近、安易に「小京都」や「小江戸」と名乗るところが増えすぎて若干食傷気味なんだよね…。と、訪れる前はそう思っていた。
知名度の低さや(アクセスが良くない等)観光色の薄さゆえに埋もれている一級品の町並みというのが全国にはたくさんある。
それを補うためにキャッチーな言葉がPRに使われたりするわけだけど、杓子定規に流行り文句をあてがうのはいかがなもんかと個人的には思ったりしてるわけで。
でも、そんなひねくれた思想を一蹴するほどに、龍野の町並みは掛け値なしに素晴らしかった。
とにかく行ってみてほしい。
いい意味で期待を裏切られまくりました。これほんと。
(2ページ目へ続く)
コメント
これはすごいですねー。
この規模でこれだけの建物が残っていることに驚きです。
しかも江戸、明治に建てられたものばかりではなく、昭和初期の建物が混じっているのが良い。
住民の皆さんは大変な事もあるとは思うけど、ぜひ残していって欲しいですね。
えぇ・・ここはホントすごかったです!(3ページもの長編になったのがその証拠です)
最近、古い町並みでも高齢化問題や空き家問題がよく聞かれますので、本当に、大変だとは思いますが頑張って残していってほしいですよね。