世界遺産に湧く名湯!鄙びた温泉街『温泉津』の贅沢な町並み

島根県
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銀の積み出し港として石見銀山の隆盛を支えた温泉津。
世界遺産で重伝建というすごい温泉街を引き続き散策。

温泉津には外湯が二ヶ所ある。
ひとつが、こちらの「元湯」。例のタヌキのくだりの時代からあるという伝統を誇る、源泉かけ流しの湯。
泉質は「ナトリウム・カルシウム – 塩化物泉」で、湯の花が漂う茶褐色の湯は泉質と効能に対する評価がかなり高いそうだ。

こちらは入らなかったが、かけ流しだけにかなり熱いらしい。

※2023年に再訪した際に入湯しましたが、ものっっっすごく熱くて涙目になりました。ただ、泉質は本物です

目の前にあるのが、元湯が直営する旅館「長命館」。
前の建物は明治2(1869)年に建てられたもので築150年。

そして、後ろに見える三階建てを大正11(1922)年に増築したという。こちらもそろそろ100年。

なお、内湯を持たない昔ながらの湯治宿で、宿泊者は元湯を利用することになる。

で、その長命館にも料理店と風俗営業。

※長命館は惜しまれながら2018年に廃業しました

旅館が密集するこのエリアを歩くと、長命館同様、明治~昭和初期あたりに建てられたと思われる木造の建物、温泉旅館が多い。

まちの佇まいを観察すると、世界遺産や重伝建でありながらまったく飾り気のない、文字通り平常運行の町並みがそこにはあった。

この、スーパースターのような肩書きを持ちながらも訪問者におもねることなく、「世界遺産?は?なにそれおいしいの?」的な姿勢を貫く温泉津の町並みにいたく心を打たれた。

久しぶりに本物の湯治場に巡り会えた、そんな気がした2017年夏・・・夏の日の2017。

2017 恋をした oh 君に夢中…

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薬師湯

もうひとつの外湯が「薬師湯」。1872(明治5)年の浜田地震で湧出した、比較的歴史の新しい温泉。

隣にあるのは、現在カフェとして利用されている薬師湯の旧館。(大正8年築)
内装が実に素晴らしく、時間があって人が少なければ入ってみたかった・・

※薬師湯だけ異常に観光客が多かった

この薬師湯、お湯が半端ない。

日本温泉協会の審査で全項目「オール5」という、全国でも12ヶ所しかないという凄まじい称号を持っている。

っていうのを大々的にアピールしてました。まぁそりゃするよな・・

二階は回転窓の休憩所、屋上テラスからは温泉津の町並み(と言っても屋根だけだけど)が見渡せる。

泉質は元湯で同じで、泉温は45.3℃。冬はちょうどいいんだけど、かけ流しだと夏は熱いんだよな、って温度。
いや、まぁ熱かったんだけど・・。

汗だくで散策して、熱い湯でまた汗かいて、、

薬師湯旧館を正面に見る、温泉津の代名詞と言ってもいい路地裏風景。
温泉津の街並みを語る上で、ここは絶対に外せないという場所。

路地の先にも旅館が数軒。こちら側の風情もまた素晴らしい。

で、そこの旅館にもやっぱり料理店。
結局、何個見たっけな、ってぐらい温泉津は鑑札だらけだった。

どうも、温泉津には遊郭っぽいものがあったそうなのでそのあたりが関係してるような気もする。
確かに、積み出し港や寄港地で人や物資が集った温泉街に歓楽要素がまったくなかったというのも考えづらい。芸者の一人二人ぐらいは間違いなくいたんじゃなかろうかと思う。

ゆうゆう館のおばちゃんからは、銀の積出港だった「沖泊」を見学することをしきりに勧められたけど、歩くには少し遠かったので断念した。

何より、朝から大森と温泉津を歩き倒してくたびれた。
そんなわけでこの後、電車を乗り継いでこの日のお宿、「津和野」へと向かった。

[訪問日:2017年8月13日]


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