山間に散った夢の跡。鉱山の町「明延」を訪ねて

兵庫県
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日本一の錫鉱山も閉山から30年が経ち、過疎化と高齢化の波にすっかり洗われてしまった。
鉱山の遺構はおおかた見たので、今度は町並みを見ていきたい。

町並みは、鉱山の中心地があった場所へ向かう途中にある。

昭和初期~中期頃に建てられたと思われる木造家屋や、バラックじみたトタン建築などが並んでいた。

家主を失ったと思しき建物も多く、正視に耐えない現実だけがただそこにあった。

昭和30年頃は、この通りも人で溢れかえっていたのだろう。一体どうすればその頃の情景を思い描くことができようか。

時を刻むことに疲れた壁時計が、安らかな眠りについていた。

さながら限界集落を思わせる、鉱山町の現在地。時の流れの残酷さを思う。

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そしてこれが現れた…

その瞬間、息を呑んだ。
それは空き家になった、元たばこ屋の建物だった。

おそらく当時、相当にモダンだったに違いない。今でもまったくその輝きを失っていない。
思いがけない場所でいきなりこんな建物に出会うことがあるからまち歩きはやめられない。

退廃の美。そんな言葉が浮かんだ。

60年ほど前、確かにここは“東洋一”の錫鉱山だったのだろう。フィクションなどではなく、すべてが実話に基づく形で。

青い屋根が並んでいた。かつての鉱山住宅である。
まちおこしの担い手として、「体験宿泊」のイベントが開催されているそうだ。

地図から消さないために、奮闘している住人がいる。
明延を訪ねて、こういう場所があることを誰かに伝えるだけでも大きな力になるのではないか。そんなことを思った。

冬は雪に閉ざされるのだろう。

一円電車の定期運行は4月から11月の日曜日。基本は月1回。GWや夏休みは回数が増えるとのことだ。
事前に確認してから出かけることをオススメしたい。

[訪問日:2017年9月10日]


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