2019年3月。
我ながらなかなかいい思いつきだった。
スギ花粉が日本列島で猛威をふるう頃、奴らの魔の手から逃れるために颯爽と沖縄へ飛んだ。
と言っても、本島ではない。そこからさらに400km離れた八重山諸島である。
八重山諸島の中心である石垣島へは、peachが関空から直行便を飛ばしている。おかげでそれなりに安価に行くことができた。
大阪との気温差を見越して比較的薄着で出発した結果、関空までは「寒い寒い」と言っていた。
そんな努力をあざ笑うかのように、新石垣空港に降り立った第一声が「暑い」だった…。
なんなん、ホント・・。
幸か不幸か、直近でもかなり暑い日にあたってしまい、最高気温が優に20度を超えるような日だった。
ま、寒いよりマシだよな。脱げばいいんだから。
空港からバスに乗り込み、約40分でもうひとつの玄関口「離島ターミナル」に着いた。
離島ターミナルからすぐの美崎町は、並行する商店街が東西に伸びていた。ここが石垣島の繁華街にあたるようだ。
ここは本当に沖縄なんだろうかと思う。
八重山エリアに来たのは初めてだったが、目の前の風景は正直本土とあまり変わらない。
なんかイメージと違うな…。
前回沖縄の地を踏んでから、すでに4年余りの歳月が流れていたのでそのイメージもだいぶあやふやなモノになっていた。
市役所通りに出ると、ようやく南国っぽい雰囲気になってきた。
土産物屋から聞こえてきた三線の音色とそのウチナーなリズムに、ようやく沖縄に来たことを実感できた。
筆者は昔楽器をやっていたぐらいの音楽バカなので、ちょっと三線を買って帰ろうかと本気で悩んだ。
通りをおもむろに曲がったところで、パンチの効いた外観をした食堂が建っていた。
脊髄反射的にシャッターを切ったところで、いきなり話しかけられて飛び上がりそうになった。
背景と完全に同化していたこのおっちゃんこそが、この「永福食堂」のご主人だった。
一方的なマシンガントークで身の上話などを聞かされた挙げ句、中も見てっていいと言われたけどすでに食事の予定があったので入口から一瞥する程度にとどめた。
水色の外観と言い、壁一面を埋め尽くす貼り紙と言い、個性が際立ったおっちゃんのキャラクターと言い、この店・・只者ではない。
と思っていたら、石垣では普通に有名店だったようだ。
また来る機会があれば、そのときはここに入ってみよう。
そして18番街へ
実は石垣島は経由地で、用があったわけではなかった。
ただ、せっかく来た以上最低限の観光はしておこうと原付を借りて島を一周した。
その前段に立ち寄ったのが「18番街」、かつて赤線として浮名を流した一帯である。
とうとうこんなところまで来てしまった…。
色街を歩き始めてもうずいぶん経つけど、まさか石垣島に来てまでこれをやることになるとは。
使い方違う気がするけど、ちょっと感無量の思いだった。
この18番街、昔は非合法でアングラな香りがぷんぷんする通りだったが近年はそれも影を潜めてしまい、いわゆる普通の盛り場に落ち着いているようだ。
こんなところまで色街のタイル文化は根付いていたのか…。妙なところで感心してしまった。
ハイビスカスが咲き誇る旧赤線地帯。
本土では決して見ることのできない、極めて希少価値の高い風景だ。
赤瓦のどっしりとした平屋スタイル。
これを見たら、やはり沖縄に来たことを実感させられる。
食べ○グでかなりの高評価を叩き出している「焼肉オリオン」。
石垣島と言えば石垣牛。その石垣牛を比較的リーズナブルに楽しめるという触れ込みらしい。
(2ページ目へ続く)
コメント