超絶レトロ商店街 宇治市の黄檗新生市場

この記事は約3分で読めます。

【悲報】
2016年春頃、黄檗新生市場は無情にも解体されてしまったようです。
誠に遺憾です。心よりご冥福をお祈りします。

京都の宇治市と言われてぱっと思いつくものは、やっぱり宇治茶と世界遺産であろうか。10円玉の表に刻まれた平等院鳳凰堂のある街でございます。
その宇治の、黄檗なるところに昭和レトロな商店街があるという情報を聞きつけ、旅のついでに寄ってきたときのお話。

01

まずこの名前が読めない。初見で読めたらよほどの漢字マニアか変態である。はい、で、その黄檗。中書島から京阪宇治線に乗り5駅目。
もしくはJR奈良線の黄檗駅で下車しませう。

スポンサーリンク

ただならぬオーラを放っていた

14

京阪の場合、駅を出て踏切を渡るだけ。駅徒歩1分、しかしその抜群の好立地とは対照的にこの一角だけ明らかにオーラが違う。
くすんだ黄土色が凄まじい渋さを放っている。

02

早速足を踏み入れてみた。
ちなみに7月末、年間通じて最も暑い時期に訪問したことをまず断っておく。
入った瞬間、じとっとした空気が肌をなで、湿っぽいようなカビっぽいような、とにかく体中がひんやりとした。なんなんだここは。

03

まず活気がないのである。活気があってこそのレトロ商店街だと思うのだが、こうしーんとしてると逆に歩きづらい。確実に店の人にガン見されるわけで。

05

が、今のフリがまるで狙いすましたかのようなネタになってしまった。店員の視線うんぬんの前に店がまったく開いていないのだ。

04

閑古鳥の鳴き方もさることながら、アーケードの古臭さがまたスタイリッシュすぎてワクワクが止まらない。
天井の一部が剥がれて中が丸見えになってるし。

06

やっと営業中の店があった。よかった。廃墟じゃなかったんだ。
それにしてもこの状況下で店を開けるとか、商店街ぐるみの罰ゲームか何かなんじゃないかとちょっと心配になってくる。

07

しかしその後は何事もなかったのように再びシャッター街の光景に戻る。
泣く子も黙るさびれっぷり。ピエリ守山も裸足で逃げ出すレベルである。

08

この黄檗新生市場は昭和41年に開業したそうなので、もうかれこれ半世紀が経過している。
地方商店街のお約束とも言える、大型店に客を奪われたことと店主の高齢化というダブルパンチをノーガードで見舞った顛末がこれである。
いや、施設の老朽化もあるからトリプルパンチか。

09

オープン当初に血気盛んな30代、だと仮定したら店主たちは軒並み80代に達している計算になる。
なるほど・・こうなった訳が完全に理解できた。

10

ずんずん進んで行ったら反対側に抜けた。「檗」の字が大変なことになっている。崩れ方がまるで象形文字だ。
で、この真後ろに地名の由来ともなった黄檗宗の総本山、萬福寺がある。

11

萬福寺側は、駅側と違ってきちんと採光が取れているので明るい。明るい廃墟ってのもそれはそれでいかがなもんかと思うけど。
夜は、というか閉店後は照明つかなそうな気がするな。肝試しスポットに認定されてもおかしくないレベルだと思う。

12

熱帯魚店にはなぜか枯れた鉢植えが残されていた・・・ショーウィンドウじゃないんだから。一体主はどういう気持ちでこれを置いて行ったのか。
もしかしてダイイング・メッセージ?「犯人は植木屋だ・・」

13

まるで色彩を失ったかのような空間の中で、唯一普通に営業していたとも言えるお店がこの洋菓子店。ここだと駅側からも入ってすぐだし買いに来やすいよね。
以上、まったくもって「新生」っぽさのないレトロ商店街、黄檗新生市場の紹介でした。いつ終焉を迎えるかこればっかりは予測不可能ですので、見学希望者はお早めにどうぞ。

この後、しばらく関西のネタが続きますがしばしお付き合いくださいまし。

[訪問日:2014年7月19日]

黄檗駅(京都)


コメント

タイトルとURLをコピーしました