銀砂商店街の看板を見ていたら、スナックが数軒あるエリアを見つけたので気になって行ってみた。
そこは袋小路だった。ただこの路地・・明らかに何か匂う。
長年の経験と勘が、鬼太郎の妖怪アンテナよろしく何かをキャッチした。
まず一軒目から見てみよう。明らかに普通ではない。
人で言えば凡人ではなく「異人」や「変人」の類である。
そして何気なく玄関先を一瞥したところで・・スローモーションになりやがて時が止まった。
キャバレー・・だ・・・と?
初めて見た…。
叫びたい衝動を必死で抑えながら、静かな興奮に打ち震えた。
おそらく客観的に見たら最上級の変人だったに違いない。
だがそんなことを気にしていられるほどの精神的余裕はなかった。
すでに大猿時の悟空のごとく理性が飛んでおり、このあと何を見たかあまりよく憶えていない。
確かにスナックの建物はあったようだ。
その先。
写真を見て思い出した。
そうだ‥。
とうに廃業して植物に侵食され始めている・・それは紛うことなき“泡の国”だった。
Little Angel
まさかこんなところにこんなものが…。
かつてここでは、癒やしを乞う男たちのために小さな天使たちが忙しなく働いていたのだろう。
彼女たちには、もう二度と会うことはできない。
古湯とリゾートの白浜で、まさかこんな胸に来る風景に出会えるとは思わなかった。
これこそが街歩きの醍醐味だろう。
戦後の事情は知らないが、赤線的な用途だったんじゃないかと勘ぐりたくなるようなアパートもちらほら残っていた。
どこまでも想像力を掻き立てられる路地裏風景。
もう十分堪能したな。このへんで締めるとするか。
ビーチや温泉、パンダも確かに良い。
でも、白浜に来たら是非とも「新地」を歩いてほしい。
そこでは、唯一無二の素晴らしい路地裏風景に出会うことができる。
[訪問日:2019年5月4日]
コメント
先日群馬の富岡製糸場を見学してきたけど
周辺に飲み屋街があり料亭もあって、おかしいとおもっていたら
やっぱし、遊郭跡だったみたい。
特徴的な建物はのこっていないけど小さなスナックがおおいです。
なにかの機会に!
富岡は初耳でした。。
ただ、遠い・・笑
ウ~ンこれはまさに目からウロコです!
私も一応和歌山県民ですが白浜に新地跡が残っているとは、全く存じませんでした(^_^;)
九十九さんのリノベーション宿が元は遊郭だったとは、まるで釜ヶ崎の鯛よし百番みたいです!
亡父が若い頃に東亜燃料で組合対策係だった頃、若い新入社員を引き連れて白砂銀座辺りで豪遊したと聞きましたが、ブルーフィルム上映館やストリップ劇場まで有ったそうですよ(^_^;)
白浜も昔はさぞ活気があったんでしょうねぇ。
今銀座通りを歩いてもその頃の面影なんてまったく感じられませんけど、新地があったあたりを歩けば少しだけ名残に出会えるはずです。
結構趣深くて面白いので、機会があれば是非歩かれてみてください。