なおも、大阪の鶴橋商店街をぶらぶらと歩く。
初めて行ったので無論土地勘はない。
その状態で鶴橋商店街へ足を踏み入れると、まず間違いなく現在地を見失ってしまうだろう。
さながら樹海の中を彷徨するロストマンである。
そんな樹海じみた鶴橋には、先述のとおり「コリアンタウン」としての顔もある。
おそらく次には、それはなぜかと言った疑問が湧いてくる。
鶴橋の歴史
これは、日韓の歴史と深い関係がある。
古くは「猪飼野(いかいの)」と呼ばれていた地域で、世界遺産にもなった仁徳天皇陵に眠る仁徳天皇時代の渡来人に端を発する。
猪飼野の名は、渡来人に豚を飼う習慣があったことにちなむ。
なお、現在の平野川は当時は「百済川」と呼ばれ、江戸時代、そこに架かっていた「つるのはし」から鶴橋の地名が誕生したそうだ。
そんな、元々朝鮮と深い関係にあったこの地に朝鮮人が大量に流入したのが戦前の頃。
大阪が工業化の波に洗われる最中、労働者の受け皿としておもに済州島から渡ってきた。
戦後、多くの人は祖国へと戻るが、1948年に起きた「済州島四・三事件」を契機に再び日本へ渡ってきた。
新たに日本へ渡ろうとする人は、先住民を頼って当然のようにそこへ行くだろう。
そんな訳で鶴橋には韓国人が多い。
コリアンタウンは、この地に根付いた人々によって自然発生的に形成されていったのである。
なお、この日は行かなかったが鶴橋から南東へ20分ほど歩くと「大阪生野コリアタウン」があって、“コリアっぽさ”を味わいたければこっちのほうがオススメ。
「百済門」があったりして、神戸の南京町を韓国テイストにしたエリアである。
ちなみに筆者は韓国には二回行ったことがある。
というか、唯一複数回の渡航歴がある国が韓国だったりする。
昨今、国民感情を考えると日韓関係は由々しき状態だが、あくまでそれは国家間の話である。
日本で浸透していると言う理由もあると思うが食べ物や文化には親しみがあるし、在日の方々にはいい人も多いだろう。決して全員が反日ということはないはずだ。
なので、韓国と聞くと拒否反応を示す方もいるかもしれないが安心して鶴橋に足を運んでほしい。
何より、800とも言われる店舗がひしめくカオスな雰囲気とこの活気はここに行かなければ決して味わえない。
そして本当に広い。
どこをどう歩いたかなんてことは開始5分ぐらいでとうにわからなくなっていた。
役目を終えたと見られる一角。
歩くのは言うまでもなく、写真撮るのも楽しい。
これほど撮りごたえのある場所もそうそうないだろう。
何より、場所によってはめちゃめちゃ暗いので一眼レフ持ってきてよかった。
まさに50mm F1.4の真価が問われているようだった。
鶴橋本通商店街
鶴橋駅前、千日前通から南へ500m続くのが「鶴橋本通商店街」。
と言ってもこれは総称みたいなもので、やはりいくつかの商店街に分かれている。
このアーケードは「つるしん」のような暗さはなく、飲食店(と言っても韓国系だが)が多い印象を受けた。
それにしても、これだけ商店が多いと買い物には困らないだろうから住むにはよさそうだな…
ここが鶴橋本通の南端。ここまで来れば生野コリアタウンも近いが、もう疲れた…。
戻ろう。
駅に戻る道すがら、またしても気になる一角を見つけた。
「鶴橋国際食料品センター」とな?
うわぁ、コイツはなかなか強烈だ。
広すぎてすべての路地は歩き切れなかったが、鶴橋はどこまでもディープな街だった。
そして、せっかく鶴橋に来たので焼肉を食べてから帰路についた。
[訪問日:2020年1月13日]
コメント
お写真を拝見して,ここは良いカメラで撮っておくべきだなと思った次第
いえいえ、最近のiPhoneなら十分高いカメラに比肩できますよ
iPhone12が欲しい今日この頃です・・・