信州が誇る、多国籍な方々が街を席巻する国際色豊かな温泉街、戸倉上山田温泉。
いよいよ、その爆心地とも呼べる「新世界通り」の周辺に歩みを進めて行きたい。
上山田ホテルの脇から延びる通りが新世界通り。英語で書くとNew World。
果たしてどんなWorldが広がっているのか早速足を踏み入れてみる。
風俗店がない県の盛り場
見ての通り、ほぼ飲み屋やスナックで占められている様子。子連れなどにはまったく楽しめる要素がなさそう。さすがはキングオブ歓楽温泉街である。
案内版によれば、風紀のために慰安施設をこの通りに囲い込んだことが窺える。
気になったのは「カフェー・芸妓置屋が・・」のくだり。どうも最盛期には300人ほどの芸妓がいたそうである。
通りを抜けた先には大衆演劇場の「信州大勝館」。
視線を移すと屋根の上にちょろっと見えているが・・
元は「ロック座」というストリップ劇場。看板だけは今でも残っている。
その名のごとく、実はあの浅草ロック座の系列店だったりする。
2007年12月に閉館。
ではそろそろ。
目に飛び込んでくる色彩がやたらカラフルであまり目に優しくない。そして背後に見える山とあまりにもミスマッチな風景でちょっと笑える。
路地へ分け入るとこの通り。
夜になれば連れ出したホステスを侍らせ、鼻の下を伸ばしながらおっさん達が通りを闊歩する香ばしい光景が見られるらしい。
店構えからも分かる通り、スナックで働くお姉さんたちはジャパゆきさんたちであろう。
日本に出稼ぎに来て郷里へ送金・・と言えば聞こえがいいけど、あまり触れちゃいけない大人の事情がありそうな気がしてならない。
そう言えば書き忘れてたけど、常々参考にしている『よるの女性街・全国案内版』にもここの記述があって、以下のように書かれている。
赤線はいこいの街、新世界、おもいでの街などネオンで表示しているが、猛烈な勢いでタックルされる。
このうち、おもいでの街は1頁目で紹介したがどうもあそこも元赤線だったらしい。
それにしても・・・袖を引っ張られるとかはよく聞くけど、猛烈な勢いでタックルされるってw
ところで、長野には大人のお風呂屋さんが存在しない。
条例で定められているからであろうが、これにはどうも県民性が大きく関与しているらしい。勤勉実直なお国柄で、ならば日本一寿命が長いのも真面目に規則正しく生きているからなのではないかと個人的には思ったりもする。
昭和の温泉街につきものの射的場がいまだに残っていた。まぁ、ある意味昭和から時が止まってるのでそりゃ残ってるでしょ!って話なんですが。
お風呂屋さんがないってことは、それはそれで若者は大変だろうと思う。どうしても我慢できなければ、隣県である甲府、名古屋、岐阜、新潟あたりまで遠征しなければいけないのだから。
『遊技場』の鑑札が残っていた。
何が言いたいかというと、こんなアナーキーな街が公然と存在しているのも、ある意味規制が生み出した産物なのではないか、と。
需要があるから供給があるのであって、誰にも必要とされなければこんな街は存在し得ない。
ただ、他の場所と違う形で現れていることに、どうにも長野ならではの独自の事情が密接に関係しているような気がしてならないのである。
そんなことを考えさせられた、上山田温泉の散策であった。
しかしなぁ、今思えば・・温泉入っときゃよかった!!ちょっと後悔。
[訪問日:2014年9月20日]
コメント
私は田舎がこの辺りなんですがスギ花粉はあの辺は飛ばないはずです。
お仕事の都合がついたら是非永住してください。
鯉太郎様
えっ、そうなのですか?それはなんとも興味深いお話ですね。
頭の片隅にとどめておきます。