若桜街道若桜宿の町並み。
元来、商業のまちとして栄えたこの地になぜか土蔵がまったく見当たらない。
これは変だ…。
その疑問は、裏通りにあたるもう一本の路地に足を踏み入れればすっきりと解決する。
蔵通り
前頁、若桜のまちが防火を意識した決まりごとに則ってまちづくりを遂行したことに触れた。
その際、「蔵は裏通りに建てよ」というルールが発出し、かくして土蔵以外の建物や人家を建てることが禁止された『蔵通り』が誕生した。
20棟ほどの蔵が立ち並ぶ蔵通り。
カリヤ通りと比較しても、フォトジェニックさにおいてはこちらに分があることは誰の目にも明らかだろう。
それほど突出した存在感を放っている。
蔵のでかさと路地の細さの相乗効果で風情も倍増。
これを狙ってやってたとしたら、先人の慧眼に恐れ入る。
まぁ、維持管理する住民と自治体の間にはどうにものっぴきならない軋轢があるようだけども…。
(ここを歩けば気がつくはず)
蔵通りは別名「寺通り」とも言うようで、土蔵と向かうように複数の寺院が連なるように並んでいる。
蔵通りをつくった目的がまさにこれで、大火からお寺を守るために土蔵を緩衝地帯にしたのだそうだ。
なるほどねぇ。
若桜民工芸館
と言うわけで、最後に「若桜民工芸館」を見学して散策を締めませうか。
なんでも、大正8(1919)年築の旧中尾邸をリノベーションした、町にゆかりのある方々の民工芸品を展示する施設だそうで。
オープンは平成27年と比較的最近。
若桜の民工芸品とは何かというと、こちらの「土鈴」。
その数、なんと約2000点!!
これは何ぞや?と言うと、読んで字のごとしで鈴なんですね。
鳴らすと魔除けになると、古来から大切にされてきたものだとか。
築100余年。さすがににじみ出る風格がすごい。
素晴らしい…最高の雰囲気や。
茶でもしばきながらゴロゴロして過ごしたい。
正直、資料館にしておくには惜しいぐらい。
しかもそうだ、言い忘れてた。
ウソみたいな話だけど、これで無料なんです。
縁側に寝そべって中庭を眺める。
そんな贅沢な時間の過ごし方も、ここでならできてしまう。
ここは若桜に来たら是非とも立ち寄りたい。
あ、あと「昭和おもちゃ館」も忘れずに。
[訪問日:2021年9月18日]
コメント