世界遺産に登録されているもうひとつの合掌集落「五箇山」。
そこには、失われて久しい古きよき日本の山村風景があった。
合掌造りとは何なのか
そもそも合掌造りとは何ぞや?と思っている方もいるのではないだろうか。
リアルで見たことないけど形は知ってる、という方はきっと多いと思う。
こんな感じの家屋で、茅葺きの切妻屋根、それも急勾配、というのが最たる特徴。
勾配がキツイことで雪がそもそも積もりにくく、雪下ろしも楽という豪雪地帯ならではの知恵が詰まっている。
さらに、屋根下に広い空間を確保することができ、ここが先に挙げた養蚕の作業場となっていたのである。
これについては、白川郷で和田家住宅に入ってみればよくわかります。本当に広いんで。
他にも随所に工夫や特長が見られるんで、興味のある方は調べてみてください。
とにかく人間の英知の結晶であることに感心すること請け合い。
このあたりは本当に洒落にならないぐらいの豪雪地帯で、さらに人里離れた僻地ということもあり、大家族が住めてさらに仕事もできる巨大空間が必要不可欠だったのだと思う。
端的に言えばそれが合掌造りというものに他ならない。
日本でもこの地域でしか見られない希少な建築様式であり、いつまでも後世にその歴史を紡いでいってほしいと願う次第である。
原始合掌造り。合掌造りの原型と言われているそう。
昔は住居だったけど今は物置として使われているとか。
これだけ見ると弥生時代の住居に見えなくもない…。
夏は花が咲き、一面青々とした田んぼ。空の青と緑のコントラストが本当に美しい。
一方、冬に来ればそこは白一色で覆われた白銀世界。
どちらも捨てがたいものがある。
本当に、まだ日本にもこんなよいところがあったんだ、と思わせるに余りある里山風景。
こういう陳腐な言い方好きじゃないんだけど、「死ぬまでに一度は見ておきたい絶景」と言ってもいいと思う。
もし機会があれば、今度は冬に泊まりがけで訪れたい。
囲炉裏で暖を取りながら郷土料理と地酒に舌鼓を打つ。そんな至福のときをやはり死ぬまでに一度は味わってみたい。
ここんとこずっと季節感が真逆な記事ばかり書いてきたので、ようやく一矢報いることができたかな、と思う。
何より、これだけ素晴らしい風景をパソコンの中に眠らせておくのはもったいない。ただ、この感動はやはり現地に行ってこそのもの。
白川郷を訪れる際は、少し足を延ばして五箇山にも是非足を運んでいただければ幸いである。
[訪問日:2012年8月2日]
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