奇跡の港町、鞆の浦。
太田家住宅、常夜燈広場&鞆港のド定番スポットを紹介してきたが、言ってしまえばそれはまだ序章に過ぎない。
見どころが尽きない町並みを引き続き見て行こう。
次に向かったのは医王寺。鞆の浦を一望できる展望台があると聞けば行かないわけにはいかない。
なんちゃらと煙は高いところに上りたがるのである。
急坂を登りながら振り返ると海が見えてきた。古き良き港町ってたぶんこんな感じの風景のことを言うんだろうな。
826(天長3)年、あの弘法大師によって開基されたとされる古刹、医王寺。鐘つき堂から絶景が見えるが、これで満足してはいけない。
この先に登山道が整備されており、583段の階段を上りきると「太子殿」に到着する。
ご褒美がこの絶景なら頑張るのも悪くないな、と思えた鞆の浦一望。
いやー天気良くてよかった。疲れも吹っ飛んだ。
鞆の浦はレトロ建築の宝庫だった
医王寺から坂を下り、再び町の中心部へ戻ってきた。
そこでいきなりすごい洋風建築に出会った。
大正頃に建てられた、鞆の浦で最初の洋館だったという元カフェの友光軒(ゆうこうけん)。その前は理髪店兼銭湯(右側の駐車場部分が銭湯だったそう)だったとか。
“元”というのは、すでに閉店してしまったから。ここで珈琲でも飲みたかったな。
ちなみにカフェですよ。“カフェー”ではありませんよw
その先に、保命酒の製造販売を行う岡本家がある。
店舗の横にあるこちらは、廃城後の取り壊しに伴い民間に払い下げられることになった福山城の長屋門。
商店が多く、地区のメインストリートと思われるこの通りは、ギリギリ車がすれ違えるぐらいの道路幅にも関わらずかなり交通量が多かった。(道幅の情景描写はポニョにも登場しますね)
そんな道を特に減速することもなく器用に離合する地元の皆さん。運転の巧さに思わず感心。
創業元禄年間、300年という桁外れの歴史を誇る『澤村船具店』。弁柄色の格子もどことなくくすみ、重ねた歳月の重みを感じさせてくれる。
こちらは雑貨小物を扱うお店だろうか。
石段を上った先の高台に「鞆の浦歴史民俗資料館」があって、ほどほどの高さから鞆の浦の町並みと鞆港が一望できる。
医王寺太子殿まで頑張りたくない方はここで妥協するのがいいと思う。ここからの眺めも存外悪くない。
鞆の浦にも遊郭があった
潮待ち、風待ちの船乗りたちで賑わった鞆の浦。普通に考えて遊郭がなかったはずがないと思うわけである。
ちょっと調べてみたらやはりあったようで、今立っているここがそうだったらしい。場所は仙酔島へ向かうフェリー乗り場と鞆港のちょうど中間あたり、「千鳥食堂」がある路地。
確かに元妓楼だと思わせるに十分な意匠をしている。
おなじみ『全国遊廓案内』には「貸座敷9軒、娼妓は約40人。四国及び九州の女が多かった」との記載がある。
千鳥食堂さんの横にある三階建ても元妓楼で、傷んで崩壊寸前だったところを2011年にギャラリー兼カフェに改装され、『鞆ノ津ギャラリーありそ楼』として生まれ変わったそう。
素敵な再利用だけど、惜しむらくは年末だったせいか店が開いていなかったこと。うーん…残念無念。
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コメント
凄いですね。
流石に観光客が行くところですね。
道幅がかなり狭くてバスの運行が大変と聞いたことがあります。
そうですねーここは鉄板の観光客向けスポットだと思いました。
でもまちなみは素晴らしかったです。
道幅狭いせいでよく渋滞もするみたいですよ。