大正5(1916)年開業の飛田遊郭が前身の、大阪・飛田新地。
以前拙ブログでもレポートを書いたことがあるけど、基本的に写真撮影がご法度な聖域のようなところである。
ところが、この飛田新地では年に2日だけ魔法が解ける日がある。
この日だけはカメラを提げてまちなみを撮影しても身の安全が保証される。まさに“奇跡の二日間”なのだ。
飛田新地夏祭り
もったいぶってもしょうがないので結論から言うと、それは日本三大祭の「大阪天神祭」の日。つまり7月24・25日で、曜日関係なくこの日になるので今年は月、火に行われた。
もちろん、仕事は「私用のため」に休んだ。これほど大事な私用もそうそうあるもんじゃない。
この日、飛田新地では地区の子供たちが乗っただんじりが、商売繁盛を祈願しながら町内を練り歩く。
スタートは13時。だんじりは阪神高速高架下にある「飛田ふれあい会館」から出発するんだけど、豪快に勘違いしてて料理組合の前でスタンバってたら
待てど暮らせどだんじりなんて出てこない。
あれ?もしかして昨日だけだったの?
いや、これじゃまるでわざわざ有給使って飛田に遊びに来た人みたいになってるじゃん・・
いやいや、マジで焦りました。
はじめてここに足を踏み入れたのがちょうど三年前。早朝に、生まれたての子鹿のようにビクビクしながら歩いた日を懐かしみながら、こうして普通に撮ってるのはやっぱりありえないことだよなぁとしみじみ思った。
ようやっと料理組合に到着。
子どもたちを乗せただんじりは新開筋商店街へ。
こうして見ると結構小さい。押してるのは大人たちだけど、そんなに大変でもないように見える。
平日だったからか、一般人と思しきギャラリーは数人程度。
正直、え?こんなもん?って思ってしまった。
近年、結構有名になってきてると聞いていたので、もっと暇人がいっぱい来てるのかと。
再び飛田新地の中へ
大門から廓内へ。すぐさま飛田交番の角を折れ、その後青春通りへ。
この祭りが始まったのは今から50年ほど前。町内会が中心となって始めたんだそう。
場所柄、町内の夏祭りなんてなかったので、子どもたちのために、という思いでスタートさせたんだとか。
わっしょい!わっしょい!(・∀・)人( ̄ー ̄)人(´_ゝ`)ノ
子どもと大人のわっしょいリフレインが遊郭にこだまする。
嗚呼、なんて情緒あふれる光景なんだろう。来てよかった。仕事休んでよか(ry
だんじりは時折止まり、粋な太鼓に合わせて「た~んとた~んと、めでたいな」などの掛け声がかかり、続いて近くの料亭の屋号が読み上げられる。
軒先に出てきて笑顔のおばちゃんもいれば、座ったままこちらを一瞥するおばちゃんもいる。この辺は色々。
お姉さんもいたりいなかったり。“接客中”ではなく、なんとなく気まずいから裏に隠れてる女の子もいたんじゃないかなぁ。
この日は店を開けててもあまり儲からないから閉めるところも多いそうで、そう言えば確かに閉まってる店も多かった。まぁ、祭りの時間帯だけかもしれないけど。
だんじりは13時半頃にメイン通りで一度休憩し、皆さん水分補給。
その後14時頃にもう一度休憩。
最終的にふれあい会館に戻ったのが14時半頃だった。
大門通りを練り歩くだんじり。
鯛よし百番とだんじり。
終わったあと、建物でも撮ろうかと新地内をウロウロしてたらおばちゃんに絡まれた。
「カメラマン?」
「いやいや、違うよ」
「お客さん?」
「えぇ、まぁ…(遊びに来たわけではないんだけどさ)」
「お客さんだったん!さっきからずーっと撮ってたやないの?」
「はははw(やっぱりよく見てるなぁここのおばちゃんは)」
「頑張りや~」
まぁ、ずっとだんじりの後ろに張り付いて写真やら動画やら撮ってたらさすがに目立つよな。。
座って休んでたらアラフォーぐらいのおばちゃんに話しかけられた。
「いやぁ、楽しかったです。女の子も近くで見れたし。それに意外と広くてビックリしました」
みたいなことを言っていた。何しに来たのかわからないけど、興味本位で女の子を見に来たのなら一言言ってあげたほうがよかったかな。それは今日だけですよ、と。
魔法が解けるのは二日間だけ。
写真を撮りまくりながら、どう見てもカタギじゃなさそうな強面のお兄さんが近くにずっといて、内心こう思ってた。
(嗚呼、今日じゃなかったら絶対今頃フルボッコにされてるわ…正直生きて帰れるかも怪しい)
この記事を読んで興味を持った方はまた一年後に思い出してもらって、是非現地に足を運んでみてください。
最後まで読んでくれたお礼に、少しだけですが動画でお楽しみください。
コメント
今回は珍しく撮影後、すぐにUPですね。
さすがに平日のせいか見学客が少なかったのでしょうかねぇ?
昨年はもう少しギャラリーが多かった印象がありました。
さすがに冬になって夏祭りの記事をあげるのもどうかと思ったんで(笑)
タイムリーなネタなので、鉄は熱いうちに、かなと。
やはり平日と休日では人出にずいぶん差がありそうですね。
楽しく読ませて頂きました!!
筆者は今年も行く予定ですか?
私、女性ですが息子と一緒に今年の夏祭りを見学に行こうと思ってます!!
どうせなら二日間見学したいとも思ってます
それで質問ですが女性が神輿の後ろに張り付いて撮影していても大丈夫でしょうか?
はい、その日は撮影に対して咎められることはないのでおそらく大丈夫です。
ただ、少ないですが女の子が店先にいる料亭もあるので、あからさまに女の子が写るような撮り方をしないなどの配慮は必要かと思います。
今年行くかどうかは・・まだ考え中です^^;