京都の顔と言っても過言ではない「鴨川」。
夏の納涼床は、何と言っても京を代表する風物詩のひとつと言えるだろう。
– 鴨川 越えて 急ごう –
筆者の世代だと、JUDY AND MARYの「KYOTO」を思い浮かべる人も多いかもしれない。
そんな鴨川のほとりに、歴史ある京都五花街のひとつ、- 先斗町 -がある。
先斗町
鴨川と木屋町通に挟まれた細い路地が先斗町(ぽんとちょう)。
隠れ家的なレストランやバーも多く、古き良き京都の風情が感じられる大人の街として人気のエリアである。
歴史
歴史を紐解くと、茶屋が初めて正式に認可されたのは正徳2年(1712年)。
高瀬川を行き交う船頭や旅客を相手に、茶屋や旅籠が茶立女を置いたのが花街としてのはじまりとされる。
その後、芸妓のほかに娼妓も居住するようになりたびたび取締りを受けるが、安政6年(1859年)に二条新地の出稼ぎ地として公許の花街となる。
ここから、祇園と並ぶ一大花街として発展していくことになる。
ところで、この「ぽんとちょう」と言うちょっと気の抜けるような響きの一風変わった名の由来をご存知だろうか。
これにはふたつ説があるそうで、ひとつは川(鴨川)と川(高瀬川)に挟まれているのを皮と皮に挟まれた太鼓に見立て、叩いたときの「ポン」という音から来ていると言う説。
もうひとつは、人家がすべて河原の西側に立っていたことから、先端を意味するポルトガル語の「PONT」(英語で言う「POINT」)に由来すると言う説。
いずれにしてもなかなか面白い。
町並み的には、こんな感じの、いかにも京都といった情趣に富んだ風景が続く。
浴衣女子とのシンクロ率が高すぎてビビる。
これぞ日本って感じ。
お茶屋もそれなりに多いけど、京料理のお店、居酒屋、バー、洋食屋など。
様々な業態の飲食店が立ち並んでいる印象。
これが夜になるとほの暗い路地にお店の灯りが落ち、艶っぽい大人の雰囲気に包まれる。
先斗町の紋章は、かつて鴨川で多く見られた「千鳥」がモチーフ。
明治5年に「鴨川をどり」が初めて上演されたときに考案されたもの。
五花街の中で唯一図形的でない可愛らしいデザインで、個人的にかなり好きな意匠。
まぁ、夜ともなれば千鳥足のおっさんも多いだろうし、そういう意味でもね、なかなか親しみが持てると思うんです(笑)
ほら、通り抜けできまへんやろ。
間違えてふらふら入ってっちゃあかんで。
花街としての規模はどれぐらいだろうか。
少し古い2009年のデータによれば
芸妓数50人(うち舞妓9人)、お茶屋29軒
これは五花街の中では祗園甲部、宮川町に次ぐ三番目の規模となっている。
実は先斗町ってこのとき初めて行ったんだけど、雰囲気がいたく気に入ってしまいましてね。
次は是非夜に来たいなぁ、などど思った次第。
歌舞練場
四条通から三条通へ向けてずんずん歩いて行くと、右側にひときわ目立つ歌舞練場がある。
今年7月の豪雨のとき、鴨川護岸が崩落したのを覚えている方もいらっしゃるでしょう。あの現場がこの歌舞練場の裏手。
建物に被害がなくてよかった。
毎年5月にはここで「鴨川をどり」が上演される。
今年、初めて観に行っていたく感動したので来年もまた行こうかと思っている。
歌舞練場の先から鴨川の土手に下りてみた。
みんな思い思いの過ごし方をしていて見ていてなんか心地よい。
しっとりとした、いかにも京都らしい風情をたたえる先斗町界隈。
祇園もいいけど、雰囲気重視なら迷いなくこっちを推したい。
おこしやす…
(-0-)**(-0-)
[訪問日:2017年7月25日]
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