グランフロントが開業、さらには新駅の建設もはじまり、大規模な再開発プロジェクトが進行するうめきた地区を擁する大阪、キタエリア。
この梅田から一駅、「中津」というところに賑わいとは無縁な、完全に時代から置き去りにされたレトロな町並みが残っている。
神戸線と宝塚線が停車し、なぜか京都線は停車しない阪急中津駅。
そして、梅田との距離が近すぎて、一時期通勤で中津を通っていた筆者は「この駅要る?十三の次梅田でよくね?」などと完全に存在を否定しにかかっていた過去がある。
駅構内がすでに昭和だった
そんな、ただの通過点で降りる日は未来永劫来ないだろうな、と思っていた中津駅で、まさかこんな胸熱な光景を拝めるなんて・・
そう、駅構内が昭和40年代から時が止まっているかのようなのだ。
運命の人って意外と身近なところにいるんですね
まさにその言葉を地で行くような展開だった。灯台もと暗しである。
この阪急中津駅、開業したのは1925年、なんと大正14年だそうだ。もうすぐ100年。
なんと、あの鶴見線の国道駅より古い。
そして、やはり国道駅と同じく昼間なのに駅内が暗くて陰鬱な雰囲気が漂っている。
冗談とかではなくマジで闇が深い。
どう考えても梅田から一駅とは思えないほど、寂れ方が洗練された中津駅。
駅でこんなにテンションが上がったのも久しぶりなほど、ある意味で居心地の良い空間だった。
だが、今日ここへ来た目的は実は中津駅ではない。
それは、ここから少し歩いたところにある。
非戦災地区、中津
実は中津は、いや、厳密に言えば阪急中津駅の北側にあたる中津三丁目は、奇跡的に空襲を免れている。
それゆえ、今なお古きよき下町風景が残されている貴重なエリアなのだ。
大阪では、他には谷町線の中崎町が有名だが、こちらは若者が古民家や長屋をリノベして最近ではお洒落な町に変わりつつある。
古いものを有効活用する姿勢には共感できるが、手付かずの原風景が失われてしまうのは少々寂しいものがある。
なぜ再開発から逃れたのかはよくわからないが、中津三丁目には昔ながらの長屋と下町的な細い路地がよく残っている。地図で見るとそれがよくわかろう。
そんな中津の象徴とも言えるのが、こちらの「中津商店街」。
この日の目的地が此処である。
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