冬は日が短い。そこへ着いたのは、傾きかけた太陽が一日の終わりを予感させる夕刻近くだった。
– 知覧 –
ここから飛び立った若き命が空へ散った、“特攻の町”。
いつかは、と念願の特攻平和会館を見学したあと、ついでとあって車で5分ほどの武家屋敷通りを見に行ってきた。
『薩摩の小京都』と呼ばれる知覧武家屋敷群。
整然とした美しい町並みには国の名勝に指定された7つの庭園があり、1981年に「武家町」として国の重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)に選ばれたところだ。
石垣と生け垣が醸し出すムードがすでに非日常。まんま江戸時代の世界観である。
ここ武家屋敷通りの見どころは、どっちかと言うと町並みよりは庭園のほう。
7庭園共通で500円とか言われたけど、閉園の17時まですでに1時間を切ってたので断念。
そんなわけで、時間切れ(暗くなる)まで適当にぷらぷら歩いて散策を楽しんだ。
簡単に知覧の歴史を
島津家が治めた薩摩藩は、領地を外城(とじょう)と言う自治区にわけ、「麓」と呼ばれる武家集落をつくるという一風変わった政策を行った。
知覧もその外城のひとつで、第十八代領主・島津久峰の時代につくられた武家屋敷群がメインストリートの本馬場通り沿いに残っている。
庭園がメインなのに、それ見なかったら何しに行ったんだよって言われること必至なのでどうか皆さんは余裕を持って訪問してください。
なお、この本馬場通りは10時~16時まで車両通行止めなのでどんなにふざけても全力でハメを外しても車に轢かれることのない歩行者パラダイス。
この、隣の家にめり込んでるように見える事故物件風の民家は、「二ツ家」と言う知覧独特の様式。
元々離れたところにあった、主屋(おもて)と台所なんかがある別棟(なかえ)をガッチャンコした平たく言えばバリアフリーハウス。
元々ふたつだったから「二ツ家」。そんなところかな。
本馬場通りの真ん中あたりには枡形。他にも、微妙にカーブしてるところがあったりとガッツリ防備を意識してつくられたのがよくわかる町並みをしている。
石敢當って鹿児島にもあるんだ。沖縄だけかと思ってた。
西日に照らされた影が長く伸びる。
武家屋敷通りは700mぐらい。「日本の道百選」にも選ばれていると言う。
こうして門だけ並べても、全部同じに見えてくるな笑
もうちょっと個性出してもよかったんじゃないのか・・
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