※垂水廉売市場は2022年3月で営業終了。2023年に入ってから解体工事が始められ、秋頃に更地となりました。
阪神元町から山陽電車直通特急で一路垂水へ。
元町~垂水は普通ならJRだけど、「垂水・舞子1dayチケット」であえて高いほうで移動。
なんか得した気分だ。(ちっちゃいヤツw)
垂水なんて通過したことはあっても降り立ったのは初めて。
目的地は北口を出て徒歩2分ほどのところにある。
Googleマップを見ながらさまよう。現地にたどり着くまでのワクワク感。
もう何年もまち歩きやってるけど、これだけは今もまったく変わらない。
えっと・・これか?
看板出てないけど、これで合ってる・・よな?
よし。とりあえず中へ入ってみるしかなさそうだ。
垂水廉売市場
ここは神戸のレトロ商店街の中では「超」の字が10個並ぶぐらい有名なので、今さら説明の必要もないだろう。
むしろ説明するとしたら読み方のほうだ。
「廉価版」を“けんかばん”と読む人はそれなりに多いハズなのでこれだけは言っておかなければならない。
“けんかばん”ではない。
“れんかばん”だ。
ゆえに、ここの読み方は『たるみれんばいいちば』である。
間違っていた方は今後恥をかかないように是非ここで頭に叩きこんでおいていただきたい。
さて、この廉売市場。
開業は昭和9年。なんと昭和一桁である。
今の建物がその当時のものかどうかはわからないが、営業を始めてからすでに85年が経過。凄まじい貫禄を感じさせる。
24店舗でのスタートが、最盛期には100店舗近くまで膨れ上がったと言う。
そして現在は10店ちょっと。
栄枯盛衰は人の世の定めである。
足を踏み入れた瞬間、直感的に只者ではないと感じたが、奥へ進むに連れてそれが間違っていなかったことを確信した。
これまで見てきた商店街の中でも3本の指に入るトッププレイヤー、まさしく一流である。
その古さもさることながら、いまだに一部の店が現役でしっかりとお客さんが来ている。これは本物だ。間違いない。
あらゆるものが時代を感じさせる。
まるで時空のひずみに迷い込んでしまったかのようであった。
それほどに、廉売市場だけが周囲から完全に浮いた存在となっている。
垂水駅の周囲は過去に再開発が行われていて、東にはレバンテ垂水という複合施設、そして西にはイオンがある。
そんなわけで町並み的には割と新し目で、廉売市場を含む駅の北側だけが取り残された格好になっている。
こんな駅前である。ここだけ何もなかったかと言うともちろんそんなことはなく、過去に何度か再開発の話が上がっては消え、という状態だったらしい。
次頁でそのへんの話に触れてみたい。
(2ページ目へ続く)
コメント
欧州のように旧いものを直しながら使っていく街づくりが日本にもっとあって良いと思うんですけどね。それだけでは振り向かない人も多いし、防犯や耐震の面ではそうもいかないのかもしれませんが・・・
古くなったら捨てる、壊れたら捨てる。日本人の悪いところですよね。
新しいものが尊ばれる風潮は何なんだろうって思います。
ただ、丸五市場のようにやり方次第では集客はできるんですよ。高齢化でそういう新進気鋭の人がいないわけなんですけど・・
僕が日本人?に見直して欲しいなと思うところはここにほぼ全て書いてくれてました。
http://www.city.kobe.lg.jp/information/public/online/gorogorokobe2/170628.html
この価値をどうしたら今の世代やライフスタイルの中に取り込んでもらえるのか,思いを巡らせています。
いい記事ですね。
ただ、価値がわかったところで現実的には難しいでしょうね。
共働きが増えてる現代で昼間市場に行ける層は限られるし、市場自体も老朽化や跡継ぎ問題があって・・
難問です。