ノスタルジックなベンガラの里「吹屋」を訪ねて ~紅に染まったあの街で~

岡山県
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江戸末期~明治期の建物が残る「吹屋ふるさと村」。

中町の東側は「下町」地区。
ここまで来ると建物もまばらになって来て華やかさも徐々に失われてくる。

先述の通り、建物はよく残っている。
だが、高齢化や転出で少しずつ空き家が増えていると言う。

全国で社会問題化している空き家問題。

建物が残り、それを保存して行こうとしたところで、人が住まなくなった家は急速に傷んでいく。
吹屋の未来が少し心配である。

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ベンガラ館

集落から10分ほど歩いたところに、明治期の弁柄工場を復元した施設「ベンガラ館」があるのでついでに見てきた。

ここでは、ベンガラのつくり方を学ぶことができる。

焼く工程

  1. ベンガラの原料となる緑礬(ローハ)を700℃ぐらいで1~2日焼く
  2. 焼いたものを水でかき混ぜ、細かいものを取り出す。それをさらに石臼でひいて細かくする
  3. きれいな水でかき混ぜるのを数10回~100回ほど繰り返し、酸を抜く
  4. 酸の抜けたものを天日干しして完成

これが3の工程

サンプルなので水はキレイではない。

なお、ここのすぐそばに見学可能な「笹畝坑道」があるので併せて訪れてみては。

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下谷地区

吹屋の中心から徒歩で下ること15~20分。
少し離れたところに「下谷」という集落がある。

田村家(明治初期)

山間にありながら少し開けた中心部とは様相が異なり、完全に静寂に包まれ、まるで山の中に取り残されたかのようなどこか神秘的な雰囲気を醸している。

土蔵も弁柄色だった。

しばし付近を歩いてみたが、ベンガラの生産で潤っていた、賑やかな時代の面影は今はもうどこにもなかった。

吹屋の長者たちが築いたベンガラの集落。寒い中ずいぶん歩かされたが、いやはやすごい町並みだった。

 

バスが出るまでまだ時間があったので、こちらの「いろり食堂」さんで食事をしながら待たせてもらった。寒い日だったので助かった。

銅山とベンガラで栄えた吹屋。
これまで色々なところへ行ったが、五本の指には入るであろう印象に残る町並みだった。

またいつか、今度は泊まりで訪れてみたいと思う。

[訪問日:2018年12月23日]


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