かつて、今の関門トンネル入口付近にあった門司港の馬場遊郭。
国道2号線を挟んだ反対側の蛭子町(現在は東門司1丁目)にも遊郭があったそうで、当時の建物が1軒だけ残っています。
現在はゲストハウス「PORTO(ポルト)」になっているその建物。先日、満を持して泊まって来たのでご紹介します。
気になる内部は・・一体どんな感じなのか!?
※今日はいつもと調子を変えてソフトな感じでお届けします
元々は別のゲストハウスだった!
ゲストハウス「PORTO」は、関門トンネル入口のすぐそばにあります。
門司港駅から歩くと15~20分ぐらいと言うほどよい距離。
クルマの場合は、駐車場はないので最寄りのコインパーキングを案内されます。
徒歩2分ぐらいで、夜間最大500円(20時~8時)と利便性もよくかなりお安いです。
このゲストハウスの存在は実は結構前から知っていたんですが、そのときは「トゥネル」って名前だったんですよ。
今回、行く前に調べても全然ヒットしなくて「???」ってなったんですが、その謎は現地で解けました。
当時は今とは別のゲストハウスで、女性限定8名までのキャパシティで男性が一人で運営されていたそうです。
あ、泊まるの無理だった…。
現在は「合同会社ポルト」が運営しており、オープンは2019年3月と、そろそろ1周年を迎えます。
名前のPORTOは“港”のこと。港まち門司港ならではの素敵なネーミングですね。
お洒落空間に酔いしれる
早速お邪魔すると、レトロとモダンが絶妙に溶け合ったお洒落空間がお出迎え。
元遊郭の宿も色々泊まって来ましたが、お洒落度では文句なしでここが一番だと思いました。
左側は、ソファー完備のリビングスペース。そして、全国のタイルフェチが泣いて喜ぶ豆タイル仕様のカウンター。
これぞ遊郭建築最大の見せどころですね。
右を向くと、そこはバースペース。ここ、なんと昼間はカフェで夜はバーになるんです。宿泊者同士でお酒呑みながらワイワイできるのが嬉しいですね。
遊郭ファン大歓喜の内装は超必見!
遊郭建築と言えば、贅を尽くした内装や凝りに凝った意匠が見どころ満載の、建築的にも極めて価値の高いモノだったりするんですが、ゲストハウスに改装したここではどうなのか。
さすがに全部は紹介し切れないので、いくつかピックアップして紹介しましょう。
靴箱は意外と普通でした(笑)
PORTOのトレードマークでもある、この大きな温泉マーク。
改装時のものかと思ったら、最初からあったそうなので紛れもなく当時のものかと。
そして二階へ。左手の階段がいわゆる裏階段。帰りの遊客が使ったものでしょう。
ちなみに、前ゲストハウスではほぼ一階しか使ってなくて(二階の一部だけ共有スペースとして使われていたとか)、工事に入ったときは少し暗い雰囲気だったそう。手伝ったスタッフも「こんなところで泊まりたくない!」って言ってたんだとか(笑)
あ、あと、正面の部屋は図書室です。
三階。
猪目窓に惚れ惚れしますね。
ここは客室ではなく、アトリエになっています。
今度、海外から住み込みで来られるアーティストさんが、創作活動でここを使うそうです。
シングルルーム「船」に宿泊
PORTOは個室が5部屋。プラス、男女混合と女性専用のドミトリーが一部屋ずつ。
個室にはそれぞれ「陸」「波」「藍」「碧」「船」と、いずれも海を連想させる名前が付けられています。
泊まったのは、シングルルームの「船」。
部屋の雰囲気はこんな感じ。
シングルは一部屋しかないので、一人で利用される方は早めに予約したほうがよいです。
料金は5,700円から。ツインやダブルを一人利用すると6,700円~になります。
※今後変わるかもしれませんので、出かける前に公式ページでご確認ください。
壁には船のステンドグラス。いやぁ、これはお洒落。
内側はカーテンがかかってるんですが、わざわざカーテンを開けて写真撮りました。
ダブルルームの「陸」。この日は空き部屋だったので写真撮らせてもらいました。
PORTOあれこれ
遊郭跡なんかを歩く人ってよく建物の年代が気になったりするんですが、PORTOの建物は60年ぐらい前のものだそうです。
ちょうど昭和33(1958)年の売春防止法あたりかと思うんですが、それ以上詳しいことはわからず。ただ、昭和40年代の古地図では旅館だったので機会があればもう少し掘り下げて調べてみたいと思います。
あと、変わったところで七つの宿割と言うユニークな割引制度があって、船乗りを対象とした「船員割」、日本一周中の人を対象とした「日本一周割」、昔門司港に住んでいた方が対象の「里帰り割」などなど。
そして、Tシャツ購入者に半永久的に贈られる「Tシャツ割」。
毎回500円引きになるので、4回泊まれば実質タダになります。これはお得!
名刺を置いてもらっちゃいました
ブログの掲載許可を頂くために名刺をお渡ししたところ、なんと館内に置いていただけると言うご厚意に預かってしまいました。大歓喜ですよ、もう。
ちなみに、当ブログの記事を見て来ました!と言えば500円割引になる・・なんてことはありませんので悪しからず(笑)
まとめ
普段はビジネスホテルか旅館、たまに民宿って感じでゲストハウスってほとんど使わないんですよ。
今回泊まってみてわかったことは、ゲストハウスっていい意味ですごく地域密着。
地元のお店や地域のことをよく知ってて、協力関係にあって、色んな情報を惜しげもなく提供してくれる。
宿と言う立場で地域おこしの一部を担ってるんですね。
たまたま自分がまちづくりやまちおこし、地方移住なんかに興味があることでこの部分がものすごく刺さって、ビジネスホテルでは絶対得ることのできない貴重な体験ができるという気づきを得ることができました。
今後の旅のあり方に影響を与える、かけがえのない一夜を過ごすことのできたPORTOには本当に感謝です。
色々お話を伺わせてもらったPORTOのコンシェルジュ、長野さん。(本人は店長と仰ってました)
朝のバタバタした時間にも関わらず快く応対していただきありがとうございました。
今回、三宜楼の見学ができなかったので・・またいつか泊まりに行きます!
門司港ゲストハウス「PORTO」
福岡県北九州市門司区東門司1-10-6
093-342-9938
JR門司港駅から徒歩15分
九州自動車道「門司港IC」から車で約5分
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