重伝建の島「渡名喜島」の集落を引き続きぶらぶらと歩く。
フットライト道路は、どんつきまで行くと海に出る。
錆びたポールには「村道1号線終点」の文字。
長さ約800mと、10分程度で端から端まで歩けてしまう。
小さな島である。
島の東側には砂浜が約700m続く「あがり浜」。
海水浴場にもなっているが、さすがに3月だけあって誰もいなかった。
渡名喜島は、2009年公開、長澤まさみ主演の映画「群青」のロケ地になったそうだ。
撮影で居酒屋として使われたという建物が浜辺に建っていた。
窓から中を拝見。観光資源のひとつなんだろうけど、当時からそのまま放置されてる感じだな…。
里御嶽
集落の北東、小高い丘の上に島民の神事が執り行われる里御嶽(さとうたき)がある。
上まで行くと、あがり浜が一望できた。雨が降らなかっただけマシと思いたいが、残念すぎる曇天である。
ここでは「シマノーシ」なる神事が執り行われるそうだ。
この分野にはあまり明るくないが、沖縄には民間信仰(民族信仰)が多い。
こうして上から見ると、フクギ林に覆われた集落の様子が手にとるようにわかる。
海から海へと完全に風の通り道になっているので、これぐらいしなければ台風から家屋を守れないのかもしれない。
集落の北側には農地が広がっていた。
何の畑かはわからなかったが、渡名喜島はもちきびが特産なのだそうだ。
再び集落に戻ってきた。明日は午前便で帰るので観光はこの日のうちに終える予定だったが、結論から言うと1日も必要なかった。
という訳で、このあたりで渡名喜島の概要を(今さら感)。
About 渡名喜島
那覇から北西へ約60km。沖縄本島と久米島の間にある周囲12.5kmの島である。
住所的には渡名喜村(となきそん)になる。日本で二番目に小さい自治体だそうだ。400人を少し切るぐらいの人々が生活している。
前頁でも書いた通り、集落には伝統的な赤瓦の家屋と白砂の街路、サンゴの石垣にフクギの屋敷林が残る歴史的景観が良好に残っている。
それにより、2000年に「島の農村集落」として重伝建に選定された。
見どころとしては集落の町並みがメインとなり、それ以外に楽しめることは海水浴ぐらいしかなさそうだ。
おそらくこの島に観光に来る人は、十中八九が町並み目的だろうと思う。
“何もない”というのがある意味で心地よく、都会の喧騒や日々のあれこれに疲れた人にこそ行ってほしい。そんな島である。
春から秋にかけては1日2便出るので那覇から日帰りで来れなくもないが、基本はここで1泊することになるだろうしむしろそうすることをオススメしたい。
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