奈良県生駒市。
と問われれば、国内屈指の極上夜景が堪能できる信貴生駒スカイライン、そして生駒山上遊園地。持ち得る知識でそう答えていた。
そう・・関西、いやもとい、日本最後の桃源郷とも言える『宝山寺新地』の存在を知るまでは。
そんなわけで、次に向かったのは生駒山の山中にある宝山寺新地(生駒新地)である。
大和郡山の散策を終え、そのまま友人に生駒駅まで送り届けてもらった。
この場を借りてお礼を言わせてください。その節は大変お世話になりました。
ケーブルカーで行く遊里
生駒駅からは日本最古のケーブルカー、生駒ケーブルに乗り換えることになる。
1918年(大正7年)開業と、そろそろ100歳を迎える長い歴史を誇る。
生駒山は、中腹に聖天さんの愛称で親しまれる真言密教の寺院『宝山寺』があり、かつては参詣客で大いに賑わっていた。
生駒ケーブルは、宝山寺参りの足として開通したわけである。
ひとつ先の宝山寺駅まで290円の切符を買い意気揚々とホームに向かうと、果てしなくメルヘンチックな電車がスタンバってて思わず漫画みたいなずっこけ方をしそうになった。
なんじゃこりゃ・・・
まぁ、山上に遊園地があることを知っている人であればベタなリアクションも出ないわけではあるが、乗ったのは2000年から絶賛運行中であるブルドックの「ブル号」。
ちなみにミケネコの「ミケ号」もあるらしい。
名前が直球ど真ん中すぎるぜよ。スラッガーなら柵越え間違いなし。
車窓からは遠く生駒の街並みが見渡せます。夜景がキレイそうですね。
ケーブルカーに5分揺られ、宝山寺駅に到着。
ここからすぐの場所に、今回の目的地がある。
俗世を離れた山あいに、人々から忘れ去られたかのように静かに佇む遊里がある。
かなり誇張した表現を用いればこんなところだろうか。
まさしく桃源郷そのもの。
ケーブルカーに乗って行くというのがまた、非常に趣があってオツである。
改札を出たすぐ先で、子猫が請うような目でこちらを見ていた。
“家”の中にもう一匹いる。母親はどこへ行ったのだろう。捨て猫じゃなければいいのだが。
『宝山寺新地』については、各種アングラ系サイトや裏風俗系のルポ本などほうぼうで取り上げられているので今更書くのも憚れるところではあるが、簡潔に言えばここには「オモシロイ遊び」ができる旅館がある。
駅前から歩き出すと、程なくして「聖天通り 観光生駒」と書かれた古ぼけたアーチが見えてくる。今立っている場所が宝山寺の参道で、聖天さんは背中の方向に向かって300mほど石段を上がったところにある。
この参道の両脇に料理旅館が軒を連ねている。数にして10軒ちょっとだろうか。有名な寺院の門前町に旅館がある光景。自然すぎてツッコミどころなどまったく見当たらない。
が、玄関回りに目を凝らすと明らかにここが普通の旅館でないことにはすぐ気がつく。
どこに入ればいいかわからなければ、ひとまずこの目印を探せばよいということになる。
宝山寺新地の開業はだいたい朝の11時。すべてではないがほとんどの旅館で遊べるらしい。
そんなわけで、引き続き旅館街の様子を見て行くことにする。
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