なんば、なんば、駅もなんば…
まるで謎掛けのような車内放送を流しながら、御堂筋線は大阪随一の繁華街「ミナミ」のど真ん中、なんば駅へと滑り込んで行く。
※正解は「ekimoなんば」である。恥ずかしながら筆者は最近知ったw
そして、地上に出て2~3分も歩くと、周囲と一線を画した雰囲気を纏う一角が目の前に現れる。
すなわち『法善寺横丁』である。
以前からその存在は知っており、この近くで飲んだときに夜、ふらっと散歩に来たことがある。
そのとき、あまりの雰囲気の良さに衝撃を受け、今度は是非明るいときにちゃんと歩いてみようと思ったのがこの日なんばにやって来た動機である。
法善寺
まずは法善寺の話をしよう。
江戸時代創建の浄土宗寺院で、死者を弔うために千日念仏を唱えたことから千日寺と呼ばれるようになったそうで今に残る「千日前」はここから来ている。
苔むした水掛不動尊が祀られているが、大阪大空襲でこの水掛不動以外すべて焼失した歴史を持つ。
近くには芝居小屋があり、参詣者ともども多くの人が集まったことから茶屋や飲食店が自然発生し大変賑わったそうだ。
元々は境内だったことから法善寺裏や法善寺露地などと呼ばれていたが、昭和初期頃から「法善寺横丁」が定着して今にいたっている。
その横丁が、寺の北側で東西に並行する二本の路地である。
早速足を踏み入れてみようと思う。
風情ある石畳が続く法善寺横丁。
実はこの石畳は後天的なもので、昔の姿を復元する形で昭和の末頃にお目見えしたのだそうだ。
夜の写真をお見せできないのが痛恨の極みではあるが、赤提灯に石畳、仄暗い灯りを纏った法善寺が織りなす夜景はとりわけ素晴らしいの一言に尽きる。
行くなら夜のほうが断然オススメである。
路地にはお好み焼き屋や串カツ屋、老舗の割烹やバーなどが並び、大阪ならではの情緒的な路地裏風景に出会える。
隠れ家的な名店が多いのも特徴のひとつである。
ときは日曜日、AM8:30
誰もいないのも至極当然の話である。
でも、、なんでこんな朝早く来たんだっけ?
全然憶えてないぞw
路地裏の風情が最強すぎる
続いて北側の路地
こちらも幅3mの石畳が満遍なく敷き詰められている。
戦後、盛り場として復活した法善寺横丁は、実は2002年と2003年に相次いで火災に見舞われるという不運があった。
復興に際し、現代の建築基準法に則ると路地の幅を4m確保しなければならず、町並みを元通りに復元することは不可能だったそうだが、無理難題を前に多くの市民の署名や当事者、関係者たちの尽力によって特例が認められ、色々と難しい問題をクリアして以前と変わらない景観を取り戻したと言う。
この横丁がいかに人々に愛されていたかを物語る素晴らしいエピソードだと思う。
この幅が1.5倍になっていたらと思うと…うーん微妙だな
北側の路地の途中に、迷路の入口のような脇道が伸びている。
法善寺横丁と道頓堀商店街をつなぐこの抜け道にもまた、れっきとした名前がつけられている。
浮世小路
勢い余って道頓堀側へ抜けてしまったが、この存在感がまったく感じられない隙間が小路の入口である。
(´-`).。oO(小路っつーかただの通路じゃないか…)
実際、「浮世小路」という名がついている。
これは事実である。現地に行けばちゃんと書いてある。
幅1.2mの小路には、昔の大阪を再現した壁画が描かれていた。
昔の写真とか。
ただの抜け道かと思ったら割と楽しめる要素が詰まっていた。
すれ違うのも一苦労な幅の浮世小路。
法善寺横丁に行ったらついでに立ち寄ってみようぜ。
という訳でいかがだっただろうか。
有名なので知ってる方も当たり前に多いとは思うけど、まさかこんなミナミのど真ん中に小京都(言い過ぎ?)的な路地があるなんて!ってなった方は是非とも行ってみてくださいな。
おしまい
[訪問日:2020年2月23日]
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