タコ野郎・・おまえ西港にもいたのか。
こっちはマスクを着用し、コロナ対策が万全である。
と言うのも、日間賀島は実質的には西港が島の玄関口となっており、大型ホテルもこちらに集中している。
つまり、東西で観光客の数が全然違うのである。
密を避け、感染拡大防止にご協力を・・というメッセージなのだろう。
知らんけど。
船着き場からは、知多半島が余裕で見えるこの近さ。
名古屋をはじめ愛知の人にとって篠島や日間賀島は、ちょっと美味い魚でも食べながらリゾート気分を味わいたくなったときにふらっと出かける場所なのだろう。
関西にとっての淡路島みたいなポジションだろうか。
>ちょっと美味い魚でも食べながらリゾート気分を味わいたくなった
写真はイメージです(笑)
西部の集落を歩く
さて、観光色の強いフェリー乗り場周辺に用はないので、颯爽と路地へと分け入った。
西部のほうは、明らかに東部と毛色が違っていた。
こんな感じの求めていた風景は影を潜め、路地こそごちゃごちゃした感じではあったが新しい住宅が多かった。
集落そのものが東より新しいようだ。
砂浜に落ちた貝を丁寧に拾い集めるように、撮りたい対象にだけシャッターを切った。
蛸の干物はこの島の名物だそうだ。
こんな一コマも当たり前のように島の風景に溶け込んでいる。
足の向くままに歩いた。
長心寺なるお寺の境内で野良猫に出会った。
島猫は鷹揚な個体が多い。
それはもう漁村で生きる猫に受け継がれたDNAのようなものだろう。
いい時間になってきたのでこのたりで散策を切り上げて宿に向かうことにした。
せっかくなら海が見える道から行こうと海沿いに出た。
島の小学校、中学校の卒業生や教職員によるアート作品がびっしりとタイルに敷き詰められていた。
この通り、「タイルロード」と呼ばれているそうだ。
教員にとっても、島での任期はやはり特別なものなのだろうと思う。
島を離れるときの作品かどうかはわからないが、一枚一枚の絵には万感の思いが込められていることだろう。
そんなことを考えながら、この日のお宿「ホテル日間賀荘」に到着した。
部屋の窓からは、文句のつけようがないオーシャンビュー。
これぞ島Stayの醍醐味というものだ。
9月からおよそ3ヶ月半の間、GoToトラベルには散々お世話になった。
大団円がこの景色なら、停止の事実もすんなり受け入れられそうな気がした。
旅行業界はこの一年でかつてない打撃を被った。
観光で成り立つ温泉地や歴史のあるホテル、旅館が苦境にあえぐさまを見るのは何より辛かった。
2020年の特に後半は、堰が切れたようにあちこちに出かけた。
恩返しのつもりだった。
そんな激動の1年が、今終わろうとしている。
2021年は、どんな1年になるんだろう。
マジックアワーの三河湾を眺めながら、静かにひとりごちた。
夕食は西港近くの寿司屋に入った。
いや、正確には目当ての居酒屋が休みで西港近くまで歩かされたというほうが正しい。
翌朝、チェックアウトしてすぐ東港から師崎港に戻った。
昨日のうちに戻れたのにそうしなかったのは、あえて言うことでもないだろう。
[訪問日:2020年12月27日]
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