城ヶ島大橋の艶やかな赤が青空に映えていた。
吹き抜ける海風は冬にしては暖かい。
思い出せないぐらい久しぶりに三崎へやって来た。
三浦半島の突端、三浦市に属するマグロで有名な港町だ。
対岸の城ヶ島は、神奈川に2つ存在する有人離島のひとつ。
ちなみにもうひとつは言わずと知れた江の島である。
この三崎には、古き良き漁師町の名残が今もそこかしこに残っており、中でも看板建築が有名なのだ。
岸壁の駐車場にクルマを滑り込ませ、釣り人に見送られるように街へ出た。
古い町並みが残っているのは三崎港の東側のエリア。
住所で言えば三浦市三崎となり、とりわけ2~3丁目の範囲に集中している。
ひとまず、看板建築が集う商店街へと向かう。
いきなり個性的な建物が登場。
三崎の看板建築群
商店街に出ると、真打ち登場である。
元松月商店、今は「ユニバーサル広告社」と書かれている。
ファサードのステンドグラスを筆頭に、モダンすぎる外観はとにかく異彩を放ちまくっている。
最近まで空き店舗だったらしい。
どうやらこの広告店は最近入居したようだ。
次もすごい。左側の建物に刮目せよ。
三崎のランドマークと呼んでも過言ではない、松浦洋品店。
昭和初期竣工と言われている。
老朽化で雨漏りもするようになったことから、昨年修復が施されたそうだ。
看板自体もキレイになっているようなので、是非現地でこの写真と見比べてみてほしい。
向かいには蔦に侵食された看板建築。
松浦かばん店。洋品店の親族が経営されていたのだろうか。
こんな立派な蔵がおもむろに登場して面食らってしまった。
三崎は過去、幾度となく大火に見舞われたそうでその対策で建てられた蔵造りの建物が今でも40棟ほど残っている。
何の模様か分からないがこれも面白い。
商店街入口のいづみやさんもなかなかに強烈な外観。
漁具船具
漁師町ならではの商店だ。右横書きなのを見ると戦前だろうか。
実際のところ、看板建築をはじめ三崎の建物は関東大震災後の昭和初期頃建てられたものが多いそうだ。
石蔵。
完璧なまでの防火仕様である。
初詣客に紛れて海南神社のほうへ向かうと、無茶苦茶レトロな喫茶店がお目見え。
思わず唸り声が出た。
三崎港よ。何てポテンシャルの高い街なんだ。
もと来た道を戻り、今度は商店街の反対側へ。
タイルが美しい「クラフトうみべ」。
バーかはたまたスナックか。
そう言えばここは漁師町。入口の意匠は船の舳先ではなかろうか。
蔵造りの商家を活用し、三崎の伝統行事「チャッキラコ」や三崎の昭和の暮らしを展示している資料館「三崎昭和館」。
…ん?なんか前方に気になる建物が。
SUGEEEEEEEE
隣の蔵が完全に霞むほどの存在感…。
このクラスの建物が普通にごろごろ転がってる。。
路地裏もまた、昔日の漁師町の風情を忠実にとどめている。
こんなにハイレベルな街には滅多にお目にかかることはできない。
(2ページ目へ続く)
コメント