矢掛宿最大の町家である本陣(石井家)。一般公開されていると言うので見学して行くことにした。
なお、冬季が16時まで、それ以外は17時まで。入館料は大人500円。
間口約36m、奥行き約90m、敷地面積959坪…と言われてもあまりピンとこないが、正面から見ただけでもとにかくでかい屋敷なのは確かである。
なお、正面入口は家人用のもので、大名や役人などいわゆる上級国民用の「御成門」が向かって右側にある。
江戸時代初め頃から本陣職を務めた石井家は、元禄年間頃からは酒造業も営んでいた。
閉館まで45分ぐらいしかなかったので駆け足で回ることになりそうだ。
まぁなんとかなるだろう。
広大な敷地内には、家人が暮らしたスペースの他、客を迎える御座敷、そして酒蔵時代の蔵や麹室など大きく3つのエリアに分かれている。
奥の間が大名などが宿泊で使った「上段の間」。
大河ドラマにもなった、かの篤姫も泊まった記録が残るそうだ。
客間に隣接する中庭。
大名が滞在する際に門の前に掲げる宿札。
欄間の意匠「ブドウとリス」。
桃山文化を反映したものと考えられているそうだ。
この襖、何か興味深いエピソードがあったはずなんだけど完全に失念してしまった。。
岡山出身の元首相、犬養毅の書を発見。
客人の食事を用意した「上膳所」。
いつ見てもロボットの顔にしか見えないロボット電話w
奥行き90mというのは伊達じゃないね・・
裏門(長屋門)。
安永年間に建造されたものだと言う。
酒蔵
最後にひときわ巨大な酒蔵の中を見て行こう。
絞り場。
絞り(搾り)は、清酒と酒粕を分離させる「上槽」という工程っすね。
この当時はまだ袋に詰めて手で搾ってたんじゃないかな。
蔵の中には石井家にまつわるモノも展示されている。
石井家の夫人が使用した「女駕籠」。
ガイドさんに色々話を聞いたんだけど、その中で最も印象に残ってるのが矢掛宿の裏手にある小田川の話。
昔からたびたび氾濫してきた歴史がある暴れ川で、西日本豪雨のときに堤防が決壊して真備町に甚大な被害を出したのが実はこの川。
あのとき、上流の矢掛で決壊してた可能性も全然あり得たというお話だった。
筆者はあの年、真備町にボランティアに行ってこの目で現地の被害を見ているので、実感値としてよくわかる話だった。
なお、町並みの近くにある「やかげ郷土美術館」には、水害の歴史を物語る高さ16mの水見やぐらが設置されていて展望台にもなっている。
[訪問日:2021年5月1日]
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