ニッポンが誇るグローバル温泉街、長野『上山田温泉』

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旅の道中、ちょうど通り道だったため立ち寄った長野県上山田温泉。
そこには想像の世界を超えたパラレルワールドが視界の限り広がっていた。

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二軒とも当確ランプが灯りそうな、いかにもな建物が仲睦まじく並んでいた。

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これはもう現場検証するしかないだろうというレベルなのでファインダーごしにロックオン。
「韓国食品のりキムチ他 一番」などと書かれていて全身から胡散臭さがほとばしっている。

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そしてなぜかカフェー調の温泉旅館まで出てくる始末。
土地柄を意識してこうなったのか、しもた屋となったあとに転業したのか。真実は推して知るべしである。

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廃墟と化した巨大温泉ホテル

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その先に、巨大な温泉ホテルが一段高いところにそびえ立っていて自然とそちらに足が向かう。

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やあ、これはでかいホテルだなぁなどと間延びした感想が口から出かかったところでただならぬ異変に気がついた。

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そこにはおそらく時代の狭間で打ち棄てられ、人々から忘れ去られたであろうホテルの廃墟が必死に何かを訴えようと立ち尽くしている姿があった。
危ないので外されたのか、窓ガラスは既に一枚もなくなっている。

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標準ズームレンズしか持っていなかったのでこれが限界。
無機質なコンクリートの塊が、長い歳月をかけて森に呑み込まれていく過程の一コマを見ているようなそんな錯覚を覚えた。
ちなみにこの廃墟の正体は『信州観光ホテル』なるホテルで、時は長野五輪の頃、五輪景気を見込んでいざ資金投資をしたら、閉会後に資金繰りが悪化し経営破綻してしまったというバッドエンドの産物である。

※長年放置されてきた当ホテルは2022年頃に解体が完了したそうです

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さて、引き続き昭和の盛り場の残滓を練り歩くことにする。ちなみに『新世界通り』なるメインストリートが存在するのだが、これは最後に残しておいて先にそれ以外の場所を見て行きたい。

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お、やっと赤線建築ライクな建造物に出会えた。「韓国居酒屋」の看板に若干の違和感を覚える。

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ハートを逆さまにしたような奇妙な造形物が目に留まった。中央にはダイヤがあしらわれている。桃に見えなくもない。
ハートであれ桃であれ、この場所での営みを示唆するに十分足る形状である。

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上山田温泉のアングラゾーンは、タイ人や韓国人などアジアンピープルな方々が席巻している関係でその手の飲食店が多い。
ちょうどこの辺りはコリアンタウンであったようだ。

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上山田温泉は、首都圏から程よい距離のためか企業の慰安旅行で人気を博した温泉街である。
Wikipediaによれば、最盛期には年間130万人が訪れたとあるが、おそらく本当の目的が夜の街にくり出すことであっただろうことは想像に難くない。

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そういう風習もいつの間にか廃れてしまい、今じゃ温泉街に(なかば全員強制参加の)慰安旅行に行く企業なんてそんなに多くないんじゃないだろうか。
少なくとも筆者は経験がないし、周りから聞いたこともない。唯一、教員になった友人からそういう慰安旅行に行ったと聞いたが、やはり夜の街にくり出したと言っていた。

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縦社会、そして実権を持つ層がバブルを経験したような職場ならではの文化と言えようか。
しかし、それはそれで少し羨ましい気もする。

(3ページ目へ続く)

コメント

  1. 鯉太郎 より:

    私は田舎がこの辺りなんですがスギ花粉はあの辺は飛ばないはずです。
    お仕事の都合がついたら是非永住してください。

    • machii.narufumi より:

      鯉太郎様
      えっ、そうなのですか?それはなんとも興味深いお話ですね。
      頭の片隅にとどめておきます。

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