紀州漆器のまち「黒江」 のこぎりの歯状の家並み

和歌山県
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我が国には「日本四大漆器」と呼ばれる漆器の産地がある。会津漆器(福島県)、山中漆器(石川県)、越前漆器(福井県)、そして紀州漆器(和歌山県)である。

この紀州漆器の産地である和歌山県海南市の黒江地区に、昔ながらの町並みが残っていると聞いたので見に行って来た。

紀州漆器の発祥は室町時代と言われ、紀州藩の保護を受け大きく発展。現在も漆を使った伝統漆器を生産している。

黒江のまちは、今歩いてる「川端通り」を中心に職人たちの住居や作業場、蔵が並ぶ家並みを見ることができる。

特徴としては、このような格子(連子格子と言う)の家。

うだつのある建物。あとで出てくるけど虫籠窓なんかも見られる。

それと漆を入れる木桶。いかにも漆器のまちですと言った感じで趣がある。これを軒先に飾っている家が多い。

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漆器とは何ぞや

そもそも漆器についてあまりよく知らなかったので、これを機にちょっと勉強してみた。(間違ってたらツッコんでください)

  • 漆の元になるのは、漆の木から採取した樹液
  • 生漆をろ過し、さらにかき混ぜたり加熱したりと言った精製作業を行い精製漆を作る(ここで鉄粉を混ぜると黒い漆になる)
  • で、漆を塗ったものが「漆器」となる

ぱっと思いつくのは汁椀や盃、お盆あたりだろうか。残念ながらうちには漆器はひとつもなかった。

ちなみに、国産の漆は高価で、最近はほとんどが輸入品なんだそう。というかほとんどが中国らしい。

産地や時期によって成分が異なり、漆の性質も違ってくるのでその辺をきちっと見極めるのが職人さんの腕の見せ所なんだとか。

予習が終わったところで裏通りへ行ってみましょう。
狭い路地と格子の町家の相乗効果で何ともノスタルジックな雰囲気を醸し出している。

江戸時代の町家を転用した「黒江ぬりもの館」。
時間なくて覗けなかったけど、どうやら中はカフェだったらしい。もちろん料理は漆器で提供される模様。

向かいには虫籠窓の民家。

かつてはこのように、樽を運ぶために使ったであろう荷車が各々の家の前に置かれていたそうである。今ではあまり見ることができなくなっている。

先ほどの路地は川端通りの南側。今度は北側へ。

もう一軒うだつの上がった家があった。この脇道を入って行く。

そこには漆の精製工場だったと言うレンガハウス。のこぎり屋根が桐生新町をほうふつとさせる。

右側の建物をよく見てほしい。路地に対して建物が雁行、つまり斜めになっているのがおわかりいただけるだろうか。

この、「のこぎりの歯」のように家々が並ぶさまが黒江の町並み最大の特徴で、見ての通り家の前には三角形の空き地ができる。

昔はこの空き地に荷車を置いていたそうであるが、現在は駐車場として活用されているのが比較的目につく。そうそう、こんな風にね。

この変な区割りは、江戸時代に入江を埋め立てたときにできた平行四辺形の土地に家を建てたからというのが有力な説になっている。そう、昔の黒江地区は海べたにあってここから先は海だったという。

そんな歴史を持つ紀州漆器の産地、黒江。近くまで来た際は、ぶらりと立ち寄ってみてはいかがだろう。

[訪問日:2016年10月8日]


コメント

  1. モノノフ より:

    よくお調べになられましたね、ノコギリ状の街並みなんて地元の人でもあんまり知りませんよ♪
    でも私の同級生にも漆器屋の倅は居たので、黒江は学区が違いましたがよく遊びに行きました。
    漆器屋の蔵でかくれんぼしててうっかり漆が入った木樽を覗き込んでむせ返り、帰宅してから顔が腫れ上がった事は忘れもしません(^_^;)
    ちなみに黒江の川端通りは昔は運河でした、現在の名手酒造から黒江郵便局で南に下り荒浜地区まで続くよく整備された人工の運河で、漆器の水運にひと役かってまして運河の両岸は細い道で、ちょうど城崎の温泉街みたいな感じでした♪
    また漆器職人の多い町でしたから、黒江地区だけでも昭和中期には6軒の銭湯が有りましたね、今では海南市全体でも大正温泉と宝湯だけになってしまいました、市内全域では往時には15軒を越える銭湯が有ったと記憶しています。

    私の旧ブログのFC2の「さすらいの武士」になら、古写真もたくさん残ってる筈ですよ(^o^)

    • machii.narufumi より:

      黒江は私が一番参考にしていた町並みの本に載ってたのでそこそこ有名だと思ってました。
      なるほど、、確かに地図を見ると運河の名残がそのまま残ってますね。
      そして銭湯6軒とはすごい。。
      こういう話を聞くと、つくづく高度経済成長期はすごかったんだなぁと思いますね。

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