佐渡島にある、新潟県唯一の重要伝統的建造物群保存地区となっている宿根木の集落。
後編も、引き続きこの宿根木の町並みを見て行きたい。
バスが4本/日。乗り遅れたときの絶望感半端なさそう…。
車社会だろうから利用客はほとんど観光客な気がするけど、それで採算とれるんだろうか。
集落を抜けると、目の前には日本海。
かつて栄えた面影はどこへやら、さざ波だけが立つ穏やかな入り江の光景が広がっている。
御影石で造られた船つなぎ石。千石船によって尾道から運ばれたそうである。
これを見ると、商船が立ち寄って、交易で繁栄したかつての栄華がなんとなく脳裏に浮かんできますね。
世捨小路
「世捨小路」と名づけられた石畳の細い路地。
名前的に何らかの由来がありそうな感じがするものの、実際問題よくわからないそうな。
そんな世捨小路には、「書家・医者・地理学者 柴田収蔵 生家」と書かれた家がある。
「誰?(´・ω・`)」
調べてみたら江戸時代後期に世界地図を製作した人、だそうな。
小路のどんつきに石段があり、ぜーぜー言いながら上ると視界がひらけ、宿根木の集落を一望できる。
やー、これは爽快な眺めだ。
ところどころ、屋根の上に石が並べられている家屋が散見される。
これは石置木羽葺屋根といい、薄い板を何枚も重ねた上に石を置いた宿根木独自の工法なんだとか。
強風から屋根を守るための工夫と聞いて昔の人の知恵って素晴らしいな、と。
再び階段を下り、石段の下の路地を右に折れる。
こういう消火栓も今じゃもうほとんど見かけなくなったよね。
清九郎の家
内部を見学できる古民家、清九郎の家。
江戸時代後期に建てられ、築200年ほど経っている物件というのだから驚かされる。
滞在時間が限られていたので残念ながら中には入れなかった。
調和の取れた景観を形成する集落内で、ただ一人異彩を放つ建物がこちらの洋風建築。旧郵便局である。
建てられたのが大正11年なのでこの外観にも納得。
三角家
さて、1頁目で軽く触れた、「塩」と書かれたこの古民家。
通称「三角家」と言う、読んで字のごとく三角形の土地に力技で家を建ててしまった色んな意味ですごい建物である。
そしてこれ、JRの「大人の休日倶楽部」のCMロケ地となった場所で、吉永小百合さんが立つシーンがここで撮られたもの。
と言えばぴんと来た方もいるのでは。
ちなみに筆者が宿根木を知ったのも、たまたま京浜東北線の車内でこの広告を目にしたから、という理由。
ここ。通称「吉永小百合スポット」と呼ばれるそうで、ここで記念撮影する人が後を絶たないとか。確かにみんなここで撮ってた気がするなぁ。
ステレオタイプというか何というか。日本人らしいですよね。わかります。
この三角家、平成18年までおばあさんが一人で住んでいたが現在は空き家となっており、内部を見学できるようになっている。
ちょっと興味あったんだけど、中を見たら人が多かったのでついパスしてしまった。惜しいことしたかな。
狭い路地に木造の家屋が密集して建つ宿根木の集落。想像していた以上に素晴らしい町並みだった。
佐渡島自体遠くてなかなか足が向かない場所ではあるが、訪れた際は是非宿根木へ足を運んでみてはいかがだろう。
[訪問日:2014年9月22日]
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