神戸~姫路間を、JRの海側を走る山陽電車。
明石市西部の「江井ヶ島駅」そばに、昭和44年に開業した市場がある。
その名も『江井ヶ島綜合市場』。
「総合」ではなく「綜合」なのがポイントだ。
駅寄り、北側には小さな横丁っぽい飲食店街がくっついている。
しかしながら、表の寿司屋と焼肉屋以外はすべて廃業しているようで、もはや通路がゴミ置き場のようになっていた。
市場内へ
訪れたのは師走のとある土曜日だったが、入口付近には昔ながらの石油ストーブとまさかのスーパーボールすくい。
なんなんだこのゆるさは。
あまりにも牧歌的な時間がそこには流れていた。
通路に目をやると、商品の自転車が向こう側までずらっと並ぶ光景。
そして壁にはなぜかワンピースの海賊旗。
突き当たりを左折すると、通路に物がない以外は何も変わらないシャッター通りが続いていた。
前もって予想できたことではあるが、そこにはなかなか厳しい現実が横たわっていた。
程なくして裏口と対峙することになった。
蛍光灯の通路と比べ、眩いほどの明るさである。
裏手には駐車場と思われる三角形のスペース。
こちらもれっきとした裏口として機能していたのだろう。
しっかりと「江井ヶ島綜合市場」の文字が刻まれていた。
戻ってビックリ。
何とも秀逸なシャッターアートが描かれていた。
これは・・琵琶を持ってないけど弁財天だろうか。
通路の中ほどで営業する焼き鳥屋の「まるなか」さん。
ひねぽんが名物のようだ。
“ひねぽん”というのはひね鳥(年食った鶏のこと)の肉を炙ってポン酢で和えた播州地方の料理で、筆者に言わすと酒のアテである。
神戸~姫路あたりであれば置いている居酒屋も多いので是非食べてみてほしいと思う。
そのまま奥の通路をまっすぐ突き進むとそこにも入口があった。
ここを出てまっすぐ行くと、知る人ぞ知る小さな酒蔵「太陽酒造」さんがある。
江井ヶ島綜合市場は間口が長く、奥へ向かう通路が確か3本あったように記憶している。
とは言え、全体を通して見ても営業している店舗は数えるほどしかなくかなり寂しい様子だった。
つい2ヶ月ほど前にも、「きくや」という駄菓子屋さんが54年の歴史に幕を下ろし閉店してしまったニュースを聞いたばかり。
その駄菓子屋さん、地元のおじいちゃんがたむろしてて写真撮れなかったんだよなぁ…笑
ニュース見るまですっかり忘れてたけど。
入ってすぐのパン屋さん。
一番南側の通路。
ここは全滅の模様。
以上、江井ヶ島綜合市場でした。
[訪問日:2021年12月11日]
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