つまるところ、百聞は一見である。
先ほどの丁字路を左折すると、嗚咽が漏れそうなほどの人波が視界に飛び込んできた。
とても現実とは認めたくない光景である。
しかし引き返すわけにもいかない。もはや前に進むしかない。
なつかし青春商店街
このいたくレトロな建物は豊川市の観光案内所。
ここから先、なるべく人が写らないように頑張って撮影したけど完膚なきまでに完敗という状況が続くのでしばらくご容赦いただきたい。
なんともかわいいアーチがお出迎え。願わくば寒い時期の平日にでもゆっくり歩いてみたかった。それぐらい素晴らしい町並みがこの先には続いていた。
おそらく、このときほど自分の浅はかさを呪ったこともなかったと思う。
そしてこれほどイライラしながら歩いたこともあまり記憶にない。基本的に人混み、渋滞、満員電車、こういうのが大の字がつくほど嫌いな人間なのである。
あまり愚痴ってばかりいても仕方ないので話を進めると、この「なつかし青春商店街」は、かつての活気を取り戻そうと地元の有志で取り組んだまちおこしの一環である。
一応は神道ではあるものの、確かに日本には国教と呼べるものがなく、日本人の信仰心は近年下降線をたどる一方である。
それゆえ、豊川稲荷の参拝者も昔に比べずいぶん減ってしまったとか。
さらに、町の中心が郊外に移ったことも影響し、かつて門前町として栄えた商店街も危機にさらされ、打開策として平成15年に「いなり楽市」というイベントを始めた。
そのときに町並みを昭和レトロ風にしたのが端緒だという。
その結果どうなったかは、筆者のような人間がその存在を知り、現地まで足を運ぶという現実を見ればある程度の成果は出たと言えるのではないだろうか。
ただ、年間通じてもっとも人足が多い日に来てしまったせいでふだんの様子は知るすべもない。
人が写らないように建物の上半分しか撮っていない事実が完全にやる気のなさを物語っている。
素晴らしい町並みをちゃんと伝えることができないのも甚だ遺憾でしかない。
結局、豊川稲荷を参拝するのも気持ちが萎えてやめてしまった。
なつかし青春商店街、楽しみにしていた場所だったのに残念だった。いつか足が向く機会があれば再訪を試みたい。
ところで、豊川稲荷界隈には色街の名残も残っているらしい。←一応次回予告のつもり
[訪問日:2016年1月1日]
コメント
まだバ-残っていたとは、、、
昔ながらの床屋も残っていたかな?
床屋ですか?気が付かなかったですね・・
人が多すぎてちゃんと見てなかっただけかもしれませんが–;