和歌山に『アマルフィ』あり!迷宮の漁村「雑賀崎」の路地裏に彷徨え

和歌山県
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「アマルフィ」と言えば、イタリア南部、アマルフィ海岸の斜面に築かれた美しい街並みが世界遺産にも登録されている有名な景勝地である。
2009年に公開された織田裕二主演の映画『アマルフィ 女神の報酬』のロケ地にもなり、筆者はこの映画で見たイメージがずっと脳裏に焼き付いていた。

 

さて、そんなアマルフィが・・日本に。それも和歌山にあるという。

 

ニワカには信じがたい話だ。世界遺産級の街並みなら、少なくとも絶大な知名度を誇っていなければ話のつじつまが合わない。

全国をそれなりに歩いてきたつもりではいたが、これまでそんな話は一度たりとも聞いたことがなかった。

ならば・・自ら現地へ行くしかないだろう。
真偽はこの目で確かめなければならない。これは旅人のサガである。

雑賀崎漁港

日本のアマルフィは和歌山市の南西にある、雑賀崎(さいかざき)という漁師町である。
市の中心部からクルマで20分ぐらいという位置だ。

ちょうど起伏のある半島のような地形をしており、雑賀崎漁港を見下ろす高台からの眺めが素晴らしい。
ではここから視線を右に振ってみよう。

こ…これは!!?

 

めっちゃアマルフィ感ある!!!

 

どうだろう。

急峻な斜面に白亜の街並みが続くイタリアのアマルフィ。
急峻な斜面に密集して家々が建ち並ぶ日本のアマルフィ。

それは、想像していたレベルをはるかに超えてアマルフィだった。

 

なお、筆者は本家のアマルフィには行ったことがない。

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アマルフィの路地裏に彷徨う

山の斜面につくられた漁村なら、これからどんな景色が待っているかおおむね予想がつく。
厳しい戦いになりそうだ・・とふと斜面を見上げると、ホテルか何かと思しき廃墟が形容し難い威圧感で立ちはだかっていた。

少し怯んでしまったが、気持ちを奮い立たせ斜面へと取り付いた。
しかしすごい道だな。。

先ほどの廃墟のあたりまで来た。認めたくはないが、すでに体力の大部分を消耗している。
確実に若い頃より衰えている。

きちぃ・・

あてどなく歩いて行くと車通りに出た。しばらくすると「太公望」なるホテルが建っていた。
またしても廃墟である。

 

実は雑賀崎のあるこの「和歌浦」という地区は、太古の昔から和歌に詠まれた景勝地で1950年代にはそのアクセスの良さと抜群の眺望から一大観光ブームを巻き起こした。

だが、ブームは長くは続かずその後衰退してしまい、大型ホテルは次々廃業、近年まで「泊まれる廃墟」として有名だったホテル七洋園も廃業してしまい今や厳しい現実を露呈しまくっているのである。(なお、七洋園跡は太公望の隣にある)

そうなのである。日本のアマルフィが輝いていたのはすでに過去の話。
今は静かな一漁村というポジションに収まっている。

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いよいよアマルフィの核心に迫る

筆者が雑賀崎に惹かれ、現地までやって来た真の理由は決してアマルフィやインスタ映えなどと言ったミーハーなものではない。
漁村集落によく見られる入り組んだ狭い路地裏が大好物で、ここもご多分に漏れずそういう景色に出会えることを知っていたからである。

つまり、本当に面白いのはここからである。

とくと見よ。この路地裏こそが雑賀崎の真髄である。

原付ならかろうじて通れるだろうか。基本的に移動手段は徒歩しかなさそうな気がする。
そしてご近所との距離が近い近い。

きっとこれなら濃厚なご近所付き合いが出来ること請け合いである。

自ずと縦構図ばかりになってしまう。無理もない話である。
この日は撮影に重きをおいて歩いたので、ミラーレスと一眼レフの二刀流。

これは一眼レフ(50mm)。
逆に広角な写真はミラーレス。是非違いを意識しながら写真を眺めていただければ幸いである。

そう言えば、この日の出来事で鮮明に覚えていることがひとつ。

雑賀崎。めちゃめちゃ蚊が多かった。

筆者は不幸なことに蚊にめっぽう弱い体質なので、撮影で立ち止まるたびに蚊の急襲を受けることになった。

耳にまとわりつく不快なモスキート音にさらされ、まったくもって撮影に集中できなかった。
もちろん、言い訳の一種と思っていただいて問題ない。

ひたすらこんな道が続く。
一応公道のはずだが、私道と言われても何も言い返せないレベルである。

だってこんなところ通らされるんだもの。。
ここで住人が出てきたら相当気まずいだろうな。

まぁ、実際何度か住民とすれ違ったりしたんだけども。
観光客の出で立ちで、何の変哲もない路地の写真をそれなりの機材で撮る筆者はどれほど奇異に映っただろうか。

どうやら下まで降りてきたようだ。ほとんど迷路のような路地裏だった。

漁港と車通りをつなぐ路地が何本か斜面に沿って伸びており、実際はそこからさらに枝葉のように分岐しているので初めて来た人は間違いなく方向感覚を失うことだろう。

逆に、はじめから方向感覚を捨てて路地裏に身を委ねてみるほうが楽しいのかもしれない。

和歌山の雑賀崎。
古き良き漁師町。

そこには、実に日本らしい“アマルフィ”があった。
船で離島へ渡ることなく、漁村集落の原風景のような街並みに出会うことができる。

和歌山方面へ用があるときは、少し足を伸ばして訪れてみてはいかがだろうか。

[訪問日:2020年9月21日]

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