東京花街シリーズ第5弾は四谷荒木町。
四谷は新宿区のもっとも南東にある街で、港区、千代田区とも近い。通常、荒木町へは都営新宿線の曙橋から南下するか、丸ノ内線の四谷三丁目から北上するルートを採る。この日は前者を選んだ。
歴史を紐解くと、江戸時代、荒木町には大名屋敷があった。庭園には滝が注ぎ込む池があり、屈指の景勝地だったことから界隈に料理屋ができやがて芸者の街になったという。
すり鉢状の花街
花街があったあたりは地形がすり鉢状になっており、どこから目指しても坂を下ることになる。これが荒木町の最たる特徴と言えよう。
狭い路地がまるで迷路のように入り組む様から俗に遊里は「狭斜の街」「狭斜の巷」などと呼ばれるが、まさに荒木町は狭斜の街そのものだった。
こんな感じの車も通れない路地が縦横無尽に入り組んでいて風情満天の荒木町。てっきり戦災を免れたものと思っていたら、なんと東京大空襲で全焼したんだとか。
きっと先人たちが花街らしさを目指してまちづくりをしてきたのであろう。
あまりにも唐突に昔の電柱が一本残っていた。何か訳があって撤去できなかったとしか思えないような残り方は、花街の名残であることを示唆しているのだろうか。
すり鉢の底には小さな池がある。その名も「策(むち)の池」。ずいぶん小さくなってしまっているが、先述した大名屋敷にあった池というのがまさにこれである。
傍らにあるのは「津の守弁財天」。
今ではもうないが、滝は奥の崖の上から流れ落ちていたのであろうか。と、往時の情景を想像してみるのもまた一興。
池のそばに、花街の存在を今に伝える「料亭雪むら」の建物が残っている。
廃業してからずいぶん長い年月が経過しているように見える。
かつての栄華はいずこへ・・
つわものどもが夢の跡。
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コメント
私もそこで、古い電柱みましたよ、、、
場所は違うみたいですが。
電柱が勝手に移動したんじゃないですか(笑)