遊郭&花街→赤線→飲み屋街と、連綿と夜の街の歴史を紡いできた彦根・袋町。
往時の遺構と現代の盛り場が同居する不思議な空間は、しかしそれはそれで違和感なく周囲の町並みに溶け込んでいるように見えた。
そうじゃなかったら絶対こんなところに保育園などできないだろう…。
まぁ、園児なら盛り場の何たるかもわからんだろうから別に構わないのか。
保育園の丁字路を右折すると、そこには「瀬里奈」と書かれた転業物件。しもた屋感半端ないのでもう辞めちゃったのかもしれない。
「しょうざん」なる割烹店。こちらも営業しているようには見えなかった。
芹川の土手に向かって一段高くなっているのがわかる。これも遊郭の名残だろうか。
最も風情のあった通り
最後は、その土手に並行する一番長い通り。もしかしたらここがメインストリートだったのかもしれない。車の通行すら怪しい道幅だけどその可能性は十分ある。
屋号を掲げた料亭、料理店の鑑札が残る家、最も花街の面影が残るのがこの路地だった。
今はもう芸妓置屋もなくなったそうで、当時を偲ばせるものは建物と路地のみである。
来る前は全然期待してなかったので、ここまでやってくれたのは正直嬉しい誤算だった。
これなら「古い町並み」「賑やかな時代を偲ばせる町並み」的な、行政お得意のふわっとした言い回しで観光資源にしてもいいのに。
ネタバレするけど、次に書く「河原町芹町地区」はここの目と鼻の先にあるんだし、彦根城やキャッスルロードとあわせていくつか散策コースが作れると思うんだけど。どうですかね、彦根市さん。
まぁ、そうなると今度は袋町も今の状態をなるべく維持していかなきゃいけなくなるから、それはやっぱり難しいのかなーと。スナック街の保存とか誰得だよっていうw
最後はやっぱりこの丁字路。いたく気に入ったので、これを眺めて袋町散策を締めることにした。
[訪問日:2016年7月28日]
コメント