第三の廓。鳥取・倉吉新地を歩く

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『第三の男』と言えば、エビスビールでおなじみのイギリス映画の傑作。
正体不明の第三の男が、実は事故死した悪党のハリー本人だったという話。

『第三の廓』とは、歴史上ふたつしかないと思われがちな鳥取県の貸座敷が、実はもうひとつあったという話

はい、今回の記事のことです(笑)

その場所は、鳥取市、米子市に次ぐ県内第三の都市、倉吉市。
倉吉新地遊郭という名で越殿町というところに存在していた。

現地の看板にはかすれた文字で「稲荷神社」と書かれていた。

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消えた大店

倉吉新地には「梅乃家」という超巨大な妓楼があって、それが2013年に取り壊されたという何とも歯ざわりの悪い情報だけを頼りにやって来た。この時点でもはや期待感はゼロである。

現地に着くや否や、だたっ広い更地が視界に飛び込んできた。そう、これが「梅乃家」跡である。

電柱には「新地」の文字が残っていた

ちなみにこのときの旅は二泊三日で松江&鳥取県内をめぐった。
米子で二泊し、三日目に電車で鳥取市内に移動。倉吉には二日目、レンタカーでやって来た。

まぁとりあえず界隈を一通り歩いてみるか、せっかく来たんだし、ぐらいのやっつけモードで最初の路地を曲がった瞬間・・

!!?

な、なんだこれは・・( ゚д゚)ポカーン

ものすごいいこうがのこっていた・・

※あまりの衝撃で漢字を忘れました

期待値とのギャップのせいもあるだろう。けど、妓楼だった建物を見てこれだけの衝撃を受けたことはほとんど記憶にない。

そうだなぁ、例えるなら橋本遊郭に匹敵するぐらいの衝撃だったかも。

きっとそれは弁柄色の持つ魔力のせいかもしれない。

突き当たりを右に折れると・・

もう1軒あるじゃん!!

おいおい・・こんな展開が待ってるなんてまったく聞いてない。

そしてこれが地図にも載っていた稲荷神社。
きっと娼妓たちも郷里へ帰れる日を夢見ながら毎日ここでお祈りしていたのだろう。

改めて二棟目を観察してみる。色々末期すぎて直視するのが気の毒になってくる。
きっとこの建物も先はそう長くない気がする。

【悲報】
※2018年5月に取り壊されたとの情報をいただきました。

すでに主がいなくなってしまったような様子。こうなったらもうダメだ。
完全にフラグ立ったねこりゃ。

立派な建物なのに(´・ω・`)

左側面から。
この先が“ぬけられます的な路地”になっていたので裏側へ回ってみる。

裸電球の街灯とブルーシートから漂う哀愁がすごい。
すでに役目を終えた建物だということが、情景描写から痛切に伝わってくる。

きっと遊客たちはこの裏門からこっそり帰っていたのだろう。

倉吉新地は大正時代に成立した、比較的新しい遊里だったそうである。
貸座敷も10軒ぐらいと小規模で、それは範囲内を歩いたことでよくわかった。

往時の建物が二軒(&稲荷神社)残る倉吉新地。

近くまで来た際には足を運んでみてはいかがだろう。

[訪問日:2016年12月24日]


コメント

  1. maru より:

    なかなか素敵な遺構でしたね。
    雨上がりがいい感じです。

    • machii.narufumi より:

      そうなんです。ここに来るちょっと前にすごい通り雨にやられました。
      遊里はしっとりした日のほうがいいですね。

  2. 同行二人 より:

    屋根にブルーシートがかかってる物件は今月解体されたそうです・・・

    • machii.narufumi より:

      情報ありがとうございます!追記しておきます。
      あの状態でよく保ったと思いますが…残念ですね(-_-;)

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