東京にある歴史体験スポット「江戸東京たてもの園」[2]

東京都
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東京でレトロ体験ができる貴重なスポットを取材するために、凍えそうな真冬の日にはるばる小金井まで赴いたわけであるが、実はここ、元々別の目的があってずっと行きたかった場所なのである。
江戸東京たてもの園は、ジブリ好きな人には有名だがアニメのモデルになったと言われるものがいくつか存在するのだ。

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千と千尋の神隠し

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それがこちらの高橋是清邸。位置的にはちょうどセンターゾーンの中央あたり。
もはや説明不要なほど有名な人物ですね。第20代内閣総理大臣で、かの有名な二・二六事件で青年将校に暗殺され、81年の生涯に幕を閉じた。その事件の現場となったのが、当時赤坂にあったこの高橋是清邸である。

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「暗殺」などという物騒な史実の説明からは対極の話になってしまいなんだか恐縮ですが、ここです、この2階の窓。
千と千尋の神隠しで、深手を負ったハクが千尋のもとへやってくるハイライト的なシーンがありますよね。龍の姿をしたハクが窓から飛び込んでくるあのシーン。
あのモデルになったのがここと言われています。

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ちなみに小金井と言えばスタジオジブリのホームタウン。ここを訪れてアニメの着想を得たというのもかなり信憑性の高い話ではなかろうかと。
と以前は思っていたのですが、ジブリはここがモデルになったとおおやけに発表してるんですよね。

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さて、それでは散策を続けましょう。
伊達家の門。旧宇和島藩の伊達家が大正時代に白金に建てた屋敷の表門。

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1922年(大正11年)、実業家の西川伊左衛門(西川製紙の社長)が昭島に建てた別邸。
多摩地方は江戸時代から昭和初期まで養蚕、製紙業が盛んで、その中でも特に昭島は有数の養蚕地帯であったらしい。
今では想像もつきません。

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ここらでもう一枚冬っぽい写真を。
庭園の池。

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こちらは会水庵。大正期に建てられた茶室で、1957年(昭和32年)、西荻窪に移築されたもの。

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以上でセンターゾーンは終了。ここから東ゾーン。東ゾーンが一番たてものが多く、かつ見どころが多い。
東ゾーンに入ってすぐ目に飛び込んでくるのがこの万世橋交番。
万世橋と言えば、すっかりオタクの聖地に定着した秋葉原の駅南にある歴史ある橋であるが、かつてこの橋のたもとにあったのがこの万世橋交番。正しくは須田町派出所という。

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万世橋交番の目の前にあるのがこの上野消防署の望楼。
いわゆる火の見やぐらのことで、1925年(大正14年)、関東大震災後に現在の上野消防署に建てられたもの。

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都電7500形。1962年(昭和37年)製の車両で、7500形は1964年の東京オリンピック前に投入された5年ぶりの新型車両。
この7500形は渋谷~新橋、渋谷~浜町中ノ橋、渋谷~須田町の各路線で使用され、都電廃止が相次ぐ折にも車両が若かったため荒川線で使用されることになり、ワンマン化、車体更新を経て2011年3月まで現役で走り続けた。

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渋谷~六本木~新橋は都電6系統。今ではこの経路は銀座線にその役目を譲ったが、六本木は経由しない。代わりに都営バスがほぼ同じルートを走っている。

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中も当時のまま。扇風機が時代を感じさせてくれる。

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村上精華堂。1928年(昭和3年)、現在の不忍池付近に建てられた小間物屋さん。
木造3階建てで、ファサードは洋風だけど中は和風。この、外と中でテイストが異なるのは当時の看板建築の特徴。

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こちらも同時期、1927年に建てられた植村邸。前面が銅版の看板建築。
建っていたのは、有楽町線の新富町駅付近。

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この、一見棟続きのように見える建物。右側が花市生花店。1927年(昭和2年)、淡路町に建てられた花屋。
左側は、同じ年に須田町に建てられた武居三省堂。文具屋です。
そしてこの武居三省堂が、前編の高橋是清邸に続くジブリシリーズ第二弾。

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これを見てぴんと来たあなたはなかなかのジブリ通。
こちらも千と千尋の神隠し。千尋が仕事をもらいに向かった、釡爺の仕事場であるボイラー室のモデルがここ。
もう少し具体的に言うと、薬草箱のモデルになったのがこの引き出し。
注意しながらその場面を見ると、あー確かに似てるってなりますよ。是非ご覧あれ。

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で、武居三省堂の横にあるのがこちらの大和屋本店。鰹節って書いてあるとおり乾物屋さん。創建は昭和3年。白金台にあったそう。
昭和10年代後半、海産物の仕入れが困難になってからはお茶や海苔を販売していた。

しかし当時は3階建てって主流だったんですかね。都内だから土地の有効活用だと思うけど、この間口でこの高さは見てるとちょっと不安になるぞ。

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