かつて北前船で繁栄した福井の三国港。
そこにあった滝谷出村遊郭の跡地を散策した訪問記。ここから後編。
見返り橋
前頁で書いた上町と出村は、場所こそ近いけれどそれぞれ福井藩と丸岡藩の廓で、その間には辰巳川という小さな川が流れていた。
上流側の橋が「見返り橋」と言って、これは遊郭の見返り柳と同じ意味。
これが見返り橋。(もうひとつの橋は後ほど紹介)
見返り橋の先は地蔵坂という坂になっており、なかなか風情を感じさせる古い町並みが続く。
ここを上りきると、六本の道が集まる広場のようなところだった。
ちょうどこのあたりが、福井藩の上町だった場所にあたる。
ここに遊郭があったと思えば、なるほどそんな雰囲気のある建物もちらほらある。
これも味のある建物だなぁ。
おや?
食堂のショーケースにはピンクタイル。
まぁ、本当にただの食堂だろうけど。
こちらの「そば処盛安」さん、かなりの有名店のようで並んでいる人がいた。
なんでも百年続く老舗というから、きっとここでそばを食べた遊客もたくさんいたことだろうと思う。
思案橋
上町の広場からもう一本の坂を下りきると、小さな橋が現れる。
見返り橋とくればおわかりだろう。
こちらは「思案橋」である。
この先が出村遊郭。
行こか戻ろか。財布のこと、奥さんのこと。さぞかし色々な思いが交錯したことだろう。
まぁ、男って弱い生き物だから(震え声)
たぶんここが出村遊郭の目抜き通りだったところだと思う。
思案橋から北西へ向かって歩いて行く。
防火用水桶。これは古そうだ。
途中で右に折れる。すると一軒のスナックが目についた。
北国と聞くと、先日、記録的豪雪で車が立ち往生して陸自が出動した一件を思い出す。あの事件が起きたのが、まさにこの坂井市。(2018年2月のことです)
北国の先には、かつての芸妓置屋を利用した料亭、「料理茶屋 魚志楼」。
こんなところで地魚をつつきながら福井の酒が呑めたらさぞ楽しいだろうな。
福井と言えば黒龍、九頭竜あたりだね。
そんなところで三国港、滝谷出村遊郭跡の散策は終了。
思ったより写真を撮っていたので、それなりに見どころが多かったのだろうと思う。
県下、いや、北陸を代表する観光名所、東尋坊はここの目と鼻の先。
同じく北陸を代表する名湯、あわら温泉もここからすぐ。
もちろん三国港は海の幸が美味しい。
楽しみ方が多彩なこのエリア。
古い町並みが好きな方は、ついでと言ってはなんだが北前船の栄華が残る三国を歩いてみてはいかがだろう。
[訪問日:2017年5月5日]
コメント
素敵な食堂ですね、、、
ぜひ、入りたい。
蕎麦屋も味のある建物だったので、私だったらものすごく迷うと思います。。