船乗りたちの夢の跡。加賀橋立・北前船主集落を歩く

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石川県加賀市に、「橋立町」という日本海に面した風光明媚なまちがある。
かつて北前船の交易で巨万の富を築き、『日本一の富豪村』とまで言わしめた船乗りたちの集落である。

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“船主集落”という特徴

加賀橋立のまちなみは2005年に重要伝統的建造物群保存地区、いわゆる重伝建に登録されている。そのカテゴリーがよくある「港町」ではなく「船主集落」になっているのが最大の特徴で、つまり船乗りたちが住んでいた邸宅やその家並みが対象なのだ。

加賀橋立に来たら必ず立ち寄りたいのがこちらの「北前船の里資料館」。ここは後ほど紹介するとして、まずはまちなみを眺めていきたいと思う。

元々は半農半漁の凡庸な集落だった橋立に、村の英雄よろしく北前船の船主になる者が現れたのが江戸時代中期のこと。以後、船主はじめ北前船関係者が続々と増え続け、やがて「海の男たち」が住むまちへと変化を遂げていった。

集落の特徴としては、日本海からの強烈な寒風を防ぐために丘陵地の谷間に形成されていること、統一感のある赤瓦の屋根、そして潮風対策で船板を転用した竪板で建物が覆われていることなどである。

そう言えば訪問したのは去年の鯉のぼりの季節だった。空を優雅に泳ぐ鯉と雄大な海へくり出す北前船はどこか相通じるものがあるように思える。

明治5年、橋立には大火で集落の大部分が焼失するという悲劇が襲うが、そこは日本一の富豪である。その程度のことでうろたえるわけはなく、むしろ以前よりも豪華さがパワーアップしたという、まさにサイヤ人のような復活を遂げている。

正面に見えるのが「北前船の里交流館」。ここを左手に折れ、“眺望の通り”へと向かう。
このあたりで猛犬に吠えられまくって泣きそうになったことを付け加えておく。

地形と家並み、赤瓦の屋根が手に取るようにわかるのがこの眺望の通り。
橋立で最もフォトジェニックな場所である。

見ての通り、足元がトレッキング以外の何物でもないので、ここへはせめてスニーカーは履いていったほうがよいと思う。いくら海が近いからって、ビーチサンダルとかで行かないように。

北前船主たちは、北前船が衰退すると稼業に見切りをつけ、多くが屋敷を残し他の土地へ移っていったそうである。
現在の北前船主邸の数は十数軒と、その実あまり多くはない。最盛期には50軒ほどあったそうだが、上記の理由から昭和20年代以降次々と取り壊されてしまったという。

北前船の里資料館から南下すると、山崎通りという石畳の路地がある。ここは往時の雰囲気を色濃く残しているので、なかなか散策のしがいがある。

そう言えば、板張りの元船乗りの屋敷が立ち並ぶ光景は佐渡の宿根木をほうふつとさせるものがある。あちらもここと同様、北前船の里である。

その先に、「蔵六園」という元北前船主邸がある。現在では、庭園を眺めながらお茶することができる。
橋立の中では、ちょっとだけ女子受けしそうなスポットになっている。

さて、それではそろそろ北前船の里資料館を紹介しようと思う。
ファサードから醸し出される重厚感がすごくて圧倒されそうになる。

これが日本一の富豪が建てた豪邸か・・

(2ページ目へ続く)

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