江戸時代、江戸の吉原、京の島原とともに三大遊郭とまで言われた伊勢・古市遊郭。
今ではもう付近はすっかり住宅街になってしまい、昔日の面影は影も形もない。
しかし、ただ一軒だけ当時の賑わいを今に伝える建物がある。
それが『麻吉旅館』である。
今回の三重行きの動機はいたってシンプル。
麻吉旅館に泊まる
これだけである。
「アサキチニトマリタイ…」
何年も前から、抑揚のない声でうわごとのようにつぶやいてきた。
七夕を少し過ぎた頃、その悲痛な願いはようやく星になった(意味不明)
信頼と実績の麻吉マーク。
飾り気のない、しかし力強い筆致は200年の時を超え、すでに悟りの境地に達しているかのような神々しさを感じさせる。
やっと来れた…。
これでもういつ死んでも悔いはない…
麻吉旅館とは
麻吉旅館は、創業は不明だが1782年の「古市街並図」にすでのその名があったことから、軽く200年は超えているものと思われる。
もとは「花月楼 麻吉」という茶屋だったそうだ。
建物が斜面に立っており、「懸崖造り(けんがいづくり)」という段々状の構造をしている。なので、公称では木造6階建てとなっている。
正面に見えるのが玄関。ここが4階。
5階にも玄関がある。
この麻吉旅館、2005年に登録有形文化財に登録されている。
元遊郭で言えば、飛田の鯛よし百番や八戸の新むつ旅館あたりも登録有形文化財仲間。
このアングルがめちゃめちゃカッコいい。
少し下がってみる。渡り廊下が実に遊郭っぽくてたまらない。
そろそろ、早く中入れよって声が聞こえてきそうですがもう少しだけお付き合いください。
構造的に、現代の消防法では建て直すのは不可能だそうで、傷んだところはだましだまし修繕していくしかないそうだ。
これだけの建物を維持するのも相当の苦労があることだろうと思う。
一番下まで降りると、ここにも信頼と実績の麻吉マーク。
目の前が伊勢自動車道になっており、高速から見える。
流れる景色からこれを見つけ出したら一日ハッピーな気分になれそうだ(* ̄∇ ̄*)
さぁ、それではそろそろ料理店の中へ入ってみることにしましょう。
お邪魔します
玄関部分。
17時頃到着し、気さくな女将さんに迎えられチェックイン。
夕食の前に風呂を勧められたので従うことにした。
炎天下の中歩きまわって廃人のような顔してたのでたぶん見かねたんでしょう・・
Tシャツは盛大に塩ふいてたし…。
夕食
話に夢中で全然写真撮ってなかったようなので、数点だけ。
一杯目にビール頼んだあとは、おかげ横丁で買った「作」を賞味。
料理持ってきてくれるたびに解説が入るんだけど、そもそも食に疎いのと酒入ってるのとで全部右から左・・w
楽しい夜だった。
こうして一日目は虹のように終わりを迎えた。
(2ページ目へ続く)
コメント