佐賀県鹿島市にある肥前浜宿。
前回紹介した「酒蔵通り」のすぐそばに、もうひとつの伝建地区『浜庄津町浜金屋町』がある。
国道を渡り、浜川を渡ったところで東へ折れる。
目印はこのうなぎ屋。
この先が浜庄津町浜金屋町伝建地区。
看板にも書いてあるけど一応解説しておくと、「浜庄津町」は商人や船乗りが住む港町。「浜金屋町」のほうは鍛冶屋や大工などが住む職人町。
このふたつのまちを合わせて保存地区となっており、「庄」と「金」をとって“庄金”と呼ばれている。
八本木宿と同じく、こちらもまちの中央を多良海道(旧長崎街道)が貫いている。
まずは街道に沿って歩いてみよう。
なんせ、江戸時代には「浜千軒」と呼ばれるほど賑わった、商工業のまちとしては鹿島藩最大だったと言うから驚きを禁じ得ない。
え・・ここが?( ゚Д゚)
茅葺き屋根の町家が残る
最大にして唯一(?)の特徴が、この茅葺屋根。
“近世の地割”をよくとどめて・・と言うおなじみのやつがおそらく伝建地区選定の最たる理由なんだろうけど、逆に言えばそれぐらい建物的な特徴や魅力に乏しかった。
確かに古そうな町家はそれなりにあったけど
(´-`).。oO(ここって伝建地区なんだよなぁ…)
なんて思ってしまったぐらいなので。。
右が「旧橋本家」、左が「旧筒井家」。
有名な茅葺屋根としてはまずこの2棟が挙げられる。
よく見ると屋根は茅葺きだけど、屋根から下はそんなに古くなさそうな感じ。
で、旧筒井家のほうは去年の4月から市の移住体験施設となっていて、市のHPによると1棟1泊1,500円だそうな。(2週間以上1ヶ月以内)
え?ちょっと普通に1ヶ月ぐらい住みたいんだけど。
一応リンク貼っておきますね。
あと、こんな感じのトタン屋根の町家も僅かながら見られる。
個人的にはこれ結構好きな屋根。
そう言えば、ここが伝建地区になったのは八本木宿と同じで2006年7月。
カテゴリーは「港町・在郷町」。
2つの町がくっついてるからこうなるんでしょうね。
最後に、この保存地区の最大の見どころを紹介したい。
この細い路地を歩いて行った先にあるのが・・
浜庄津町の、茅葺屋根の町家が連続で3棟立ち並ぶ風景。
手前から「旧池田家」「旧中島家」「旧中村家」
通称“南舟津の茅葺3棟”と言い、江戸から明治期あたりに建てられた漁師住宅。
農村や山村ではなく、こんなまちなかにこれほど密集して茅葺きが残るのはかなり珍しいことだそう。
今でこそ陸地はまだ先に延びてるけど、昔はこのあたりまでが海だったのだろうと思う。
そしてこのあたりは今でも漁師の方が多く生活されているのだそう。
賑わっていた頃のまちを支えていた方々の末裔。
その歴史を長く次代へと繋いでいってほしいですね。
海岸線をなぞるように走る長崎本線。
いつかその車窓から有明海を眺めてみたい。
その願いが叶うことを夢見ながら…。
[訪問日:2018年8月12日]
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