高知県北部、吉野川流域に「大豊町」という町がある。
面積の約9割が森林という、自然が豊かな田舎町である。
散々な目に遭った秘境、祖谷地方を脱出して高知へと向かう途中のこと。
何やらその大豊町にオモシロそうな昭和レトロ博物館があるという情報をキャッチしていたので、道すがら立ち寄ってみた。
それがこの、国道から脇道を一本入ったところにある「お宝屋敷おおとよ」。
外見からしてちょっとアレな感じで、一体中がどうなっているのかものすごく気になる。
入館希望者は隣りに声をかけて下さい
と書いてあるものの、どうも留守っぽい。あかん、ここまで来てそれはさすがにない。勘弁してくれ…。
どうしたもんかと思案しながら近くをぐるぐると2~3周ぐらい走ってたら、ご主人が農作業から戻ってきた。
どうやらゆずの収穫に行っていたようだ。
よかったよかった。
館内をご案内
鍵を開けていただき、早速中を案内していただいた。
うわあぁ、思ってたよりしっかりしたミュージアムで(失礼)ちょっとビックリ。
昭和30年前後だろうか、文字通り「三丁目の夕日」の世界。
ご主人の中西さんは、いわゆる団塊世代の方。(聞くとうちの両親と同世代だった)
(´-`).。oO 小学校の頃こういう弁当箱使ってたなぁ…
実は本業は写真屋で、隣の建物で写真館を営まれている。(農家ではない!)
どういう経緯でここをオープンしたのか尋ねたら
13年前に突然思いついて半年で集めた
とまったくの無計画だったことを教えてくれた。
自分と同じ団塊世代の人が共感できるものを集めて(こういうミュージアムをつくって)みたらどうか、と思い立ったのがきっかけだったそう。
開館した2006年当時って、こういう“昭和レトロ”を売りにしたテーマパークやミュージアムってまだそんなに多くなかったんじゃないかなぁ・・
そういう点では中西さんには先見の明がおありだったのだと思う。
基本的なスタンスとしては自分が好きなものを集めていらっしゃるということで、何より驚いたのがこの中には買ったものはひとつもないというお話。
そして、買ったものではないので人に譲ったり売ったりすることもないそうだ。
それわかるなぁ。人からもらったものを別の人にあげたりしたくないもの。
中西さん曰く、“昔はどの家庭にも当たり前にあったものばかり”。
ありふれたもの、高級なものではないからこそ。値をつけたりしないのはそういう思いもあるのかもしれない。
高知と言えばゆず。
ゆずによる町おこし(村おこし)が大成功し、文字通りジャパニーズ・ドリームを掴んだ「馬路村」が火付け役となってすっかり認知度も向上したように思う。
ちなみに、大豊町には「碁石茶」と言う特産品がある。カビを使ったいわゆる“発酵茶”だ。
どんなもんかとこのあと道の駅で買って飲んでみたのだが、結論から言うとめちゃくちゃまずかった。
身体にいいのは間違いないんだろうけど、そんなわけであまり率先してオススメはできない。。
赤痢・・昔は恐ろしい病気だったんだなぁ。死亡率3割とかヤバすぎだろ。
展示が充実しててとても楽しめた。来てよかったな、とちょっと名残惜しい気分になってたところに中西さん。
「別館も見ていきなさいよ」
…ぇ?
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