愛媛県松山市と言えば、四国最大の都市であり日本三古泉にも数えられている名湯『道後温泉』を擁する一大観光都市でもある。
その道後温泉は「千と千尋の神隠し」の湯屋のモデルとされた『道後温泉本館』がある他、夏目漱石の「坊っちゃん」の舞台となった街である。
いずれも説明不要なほど有名な話ですね。
さて、そんな道後温泉にやってきたのは昨年の元旦のこと。この地を踏むのは実に9年ぶりであった。まったく変わっていないこのレトロな駅舎を見ると懐かしさがこみ上げる。
坊ちゃん列車
前回来たときは、そう言えば読んだことないなぁ、などと思いながら事前に予習として「坊っちゃん」を読んだんですが、あまりに有名な本だし皆さん一度くらいは読んでますよね。
で、駅前に「坊っちゃん列車」なる機関車があるんですが、これは日本初の軽便鉄道として明治時代に走っていたもので、小説「坊っちゃん」にも描写された汽車。まぁ、今走ってるのはもちろん復元版ですよ。
写真撮ろうとしたら人をあざ笑うかのように動き出したので、ムキになって追いかけたらホームにいました。ちなみに現在の「坊っちゃん列車」は、流石に石炭ではなくディーゼルで動いております。
これが現代版「坊っちゃん列車」。小説では以下のくだりで登場します。
乗り込んでみるとマッチ箱のような汽車だ。
ごろごろと五分余り動いたかと思ったら、もう降りなければならない…
マッチ箱は客車の形容でしょうね。なかなか巧い例えですなぁ。
もうひとつ駅前に有名なものがあるんですが、あ、いやふたつだった。
左が「坊っちゃんからくり時計」。毎時0分に、古風な音楽とともに「坊っちゃん」の登場人物がやんややんや動きまわる名物時計。YouTubeに動画が腐るほど落ちてるので興味のある方はそちらを。
右は足湯ですね。道後温泉には全11ヶ所の足湯があります。でもたぶんここが一番有名。
道後ハイカラ通り
で、そのからくり時計の真横に口を開けるのがこれまた有名な観光商店街、「道後ハイカラ通り」。
アーケード沿いに土産物屋や飲食店が軒を連ね、観光客、温泉客の絶好の散策コースとして知られている。
元旦だし店もそんなに開いてないだろうなぁと期待半分、冷やかし半分で散策開始。
そう言えば、ハイカラ通りの「ハイカラ」ってどういう意味なんだろう。割と抵抗なく見聞きするけど。
はい、調べてみました。
西洋風をまねたり、流行を追ったり、新しがったりすること。そういう人。
だそうな。意味はほぼほぼ想像通りだったけど、語源の「high collar(高い襟)」が目からうろこでした。「high color」じゃありませんよ(笑)
つまるところ、こういうお店のことをハイカラと言うんでしょうな。
作中で、坊っちゃん(主人公)が団子を食べるエピソードがあるんですが、現在でもそのときの団子が「坊ちゃん団子」という名で大々的に売り出されている。
以前来たとき、どこかの店でバラ買いしたら緑茶を一緒に出してくれていたく感動した記憶があるんだけどどこだったかな。
団子製造機が当時の写真と完全に一致しているのでどうもこちらのお店っぽいんですよね。
古い温泉街と言えば。やっぱり射的。さすが王道の温泉街道後だけあってやっぱりこのあたりはきっちりツボを抑えてますね。
先述の「坊っちゃん団子」の老舗でありパイオニアでもあるのがこちらの『つぼや』さん。
明治16年創業。漱石が温泉の帰りに立ち寄った、正真正銘のモデルとなったお店だそうで。
商店街の中ほどに位置する、この、よりハイカラ臭の強い建物は公衆浴場『椿の湯』。
本館の姉妹湯で、本館ほど混雑さがないので芋洗いを避けたい方にお勧め。
ちなみに、2024年2月現在で本館が460円に対して椿の湯が450円。
なんと、ジブリショップのどんぐり共和国まであるとは。
人も多いし、店も元旦から普通にやってるし兎にも角にも活気が物凄いのである。
今まで、直視できないほどにさびれまくった温泉街の商店街を多く見てきたけど、これほど安定感抜群の温泉地もなかなかないと思う。
距離にして250m。途中直角に折れる、L字型をした商店街が終わりを告げるあたり。
正面に見えてきた、異様なほどの威容(すいませんw)が・・
2014年に改築120年を迎えた道後温泉本館である。
道後の名を知らずとも、なんか見たことある!という方もきっと多いのでは。
ここで新年初風呂に浸かり、120周年の記念タオルを購入。
休日はいつ行っても人が多いのであまりゆったりできないのが玉に瑕なんですよね。
って常連風吹かせてますが9年ぶり二度目の入湯です本当にすいませんw
で、話はここで終わるんですが、実はこの本館、夜はライトアップされるんですよ。
夜も撮ってきたので、興味ある方は拙作の夜景情報サイトのほうを御覧ください。
[訪問日:2015年1月1日]
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