2017年7月に、兵庫県の養父(やぶ)市大屋町にある大杉集落が種別「山村・養蚕集落」で新たに重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)に選定された。
というニュースを聞き、旅の道中ふらっと立ち寄った。
兵庫県の北西部にある養父市。登山を嗜む人であれば氷ノ山、ウィンタースポーツを嗜む人であればハチ高原がある場所と説明すれば理解できると思う。
養蚕集落
表題の場所は市内のほぼ中央、大屋町大杉というところにある。
山間にある小さな集落である。
江戸後期から養蚕が盛え、大正時代に最盛期を迎えた地区で、三階建ての養蚕住宅が数多く残っている。こちらは宿泊施設に改装された元養蚕住宅。
広いスペースが必要な養蚕。二階や三階がその作業場として使われていたそうだ。
また、シビアな温度管理や湿度管理が要求されるため、換気の機能を持った大きな掃出し窓を備えているのが特徴となっている。
養父市の公式サイトによれば、大杉地区には主屋が27棟あり、そのうち12棟が三階建ての養蚕住宅であるという。
屋根上についた越屋根は、「抜気(ばっき)」と呼ばれる屋内の空気を抜くためのもの。こちらも温度湿度管理のために使われる。
小さな集落内をぶらぶら歩いてみた。
集落の建物は、大半が江戸末期から昭和初期に建てられたものだそうだ。
重伝建に選定されたのは、養蚕住宅の他にも土蔵や社寺を含む、養蚕業の最盛期を今に伝える良好な集落景観が評価されてのこと、とある。
そもそもが小さな集落であり、住民の生活の場である大杉地区。
重伝建になって間もなかったこともあってか、観光的な要素は微塵も感じられなかった。
観光用の駐車場なんかもなかった覚えがあるし、そもそも人っ子一人会わなかった。
サクッと散策してすぐに帰ったけど、今はもう少し整備されてるのかな。
ちなみに、「山村・養蚕集落」の重伝建は全国で4地区目。西日本ではここが初めての選定となる。
確かに養蚕の有名どころって群馬を筆頭に東日本に偏ってる感が否めないけど、これ地味に快挙だと思う。
そんな大杉地区の紹介でした。
[訪問日:2017年9月10日]
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