名前すらわからなかった商店街の先は、そのまま別の商店街へと続いていた。
赤を基調とした野外型商店街。何ともチャーミングな名前が付けられていた。
愛はぶ通り
おそらく 愛 × 土生 と I have をかけているのだろう。
『愛はぶ通り』と名付けられた商店街。シャッターが多めなのが少し心もとないが、こちらはまだ商店街として機能している印象だった。
人が少なかったのは日曜だったからなのだろうか。今となってはわからない。
渋い。
せっかく広島に来たし、お好み焼き屋があったので入ろうと思ったけど並んでるのを見てやめてしまった。
有名店だったのかな。
本屋さんがまた渋いこと…。
土生に着いてから1時間が経っていた。そろそろ先へ進もう。
向島へ
6つ目。最後の島「向島(むかいしま)」へと入るべく、因島大橋を渡った。
この橋は、しまなみ海道で唯一自転車(+原付)専用道が整備されていた。
無事向島へ上陸。
因島が予想以上にアップダウンがキツくて参ったけど、ここまで来たらあとはスパートをかけるだけである。
あれほど重かった空も、いつしか青空へと変わっていた。
筆舌に尽くしがたいほどの・・圧倒的な爽快感だった。
例えるならば、祖谷の小便小僧の横に立って肩に腕を回し、「これが気持ちいいんだよなぁブラザー」などとのたまいながら谷底へ小便を放つぐらいの爽快感である。
※よい子はマネしないでね
因島大橋の威容に圧倒されながら、北へとペダルを漕ぐ。
脱獄した受刑者が潜伏していたとは思えない平和でのんびりとした島だった。
実はこの旅の一週間ぐらい前に台風が発生し、進路の予報的に直撃は不可避だと思われた。
仮に逸れたとしても、海の上をチャリで走る以上今度は風が問題になる。
ところが蓋を開けてみたら、雨風どころか二日間この天気である。
旅にかけてはよほど強運なのかもしれない。これだけアホみたいに全国あちこち行っていて、色々手配しておきながら天候のせいで事前中止、もろもろキャンセル、というのは記憶の限りでは今まで一度もなかったと思う。
(予約なしで突発的に行こうとした小旅行が中止、というのはそれなりにある)
向島と本州を渡す尾道大橋は、自転車では狭く危険なのでサイクリストは渡し船を使うことが推奨されている。
大人100円、自転車10円の計110円を払い、船で5分の対岸、尾道へと渡った。
ついに・・70kmのしまなみ海道を走り切った!!
尾道港のターミナルで二日間お世話になった相棒を返却し、達成感と脱力感で呆けながら尾道水道を眺めていた。
そろそろ・・家へ帰ろう。
午後3時。
店を探して歩く気力もなかったので、遅い昼飯は駅前の店に入った。尾道に来たらやはりラーメンしかない。
時間的には余裕があったので、尾道からは本読みながら鈍行でのんびり帰った。
[最後に]
三回に分けて書いてきたこれらの駄文たちが、今後しまなみ海道を自転車で走りたい方の一助となればこれ以上の喜びはありません。
完
[訪問日:2018年10月7日]
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